Questions歯科治療に関するQ&A
Q:コーヌスクローネの禁忌症、欠点などあれば教えてください
一番の特徴は、一般のクラスプ義歯と比較して、コーヌスクローネの固定方法の違いを知る必要があります。
クラスプの場合にはフレキシブルサポートと称し維持歯に対しクラスプは密着はしていても接着固定されてはいませんので義歯の動揺に対し、傾斜移動をしてしまいます。
義歯の動揺に対し、杭抜きの様に前後に揺すられてしまいます。そのため、クラスプが掛かっている歯が動揺してしまいます。
それに対し、コーヌスクローネを用いた義歯は、リジッドサポート言われる強支持型の義歯で内冠と外冠との関係で維持力が生じ、内冠と外冠の軸面同士が接触している固定方式のため義歯の動揺はほとんどありません。
したがって歯の傾斜を防止できます。もし動揺が生じても、傾斜移動ではなく歯体移動ですから動揺は最小となります。
このような固定方式のため適応症は広く、多くのケースに使用されますが、禁忌症と言われるのは義歯を前後にに揺さぶる様な残存歯の形態です。
それは口蓋の中心を通るような2点支持形態です。例えば、左右の小臼歯が残存しているようなケースで義歯を前後にシーソー現象を生じるケースです。
このような2点支持では杭抜きの現象が起こり維持歯を動揺させてしまいます。
同様なケースは斜めに歯列を横断するケースです。
コーヌスクローネの欠点とのことですが、正しく製作をすれば、欠点はありません。
コーヌスクローネの維持方式は、内型と外冠との楔効果で維持されます。
そのため、内冠の製作方法が一番大切です。
内冠の仕上げは完全なストレートな仕上げが必要です。
そのため、フリーハンドで研磨することはできません。
ミリングマシーンを使用するか、専用のディスク研磨で内冠の側面からディスクを当て、ストレートな仕上げをしなければ、コーヌスクローネの維持が出てきません。
コーヌスクローネの維持が正しく発揮されなければ、逆に欠点となってしまいます。
維持力が強すぎると着脱に対し支台歯を守ることができません。
コーヌスクローネの最適な維持力は600g程度です。これ以上強すぎると取り外しの時支台歯に引き抜く力が働き、動揺させてしまう危険性が多くなります。
最適な維持を得るためには、内冠と外冠の適合はゼロフィッティングさせることが重要です。
このような技術は義歯のロンジェビティーを守ることができます。
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今、インプラントの上部構造として、コーヌス理論が見直されているといいます。
インプラントで同じ過ちを起こさないように、『正統派コーヌスクローネ』の知識をしっかりと身につけましょう。
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