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Q:コーヌスクローネの維持力が落ちてしまう原因について教えてください

Q. コーヌスクローネの維持力が落ちてしまう原因について、反対に、維持力が強すぎてしまったときの対応について、教えていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
A. 日本では、テレスコープクラウンといえばコーヌスクローネのみが知られています。

1987年、クインテッセンスでテレスコープシステムという別冊が企画され、私が監修を行うことになりました。

有名な臨床家に各種のテレスコープクラウンについて書いていただこうと考えて、14人の先生に原稿依頼をしましたが、全ての人がコーヌスクローネの事しか書けないということでした。

やむを得ず、それ以外のテレスコープについてはオリジナルを行っている外国の先生にお願いしました。
この様な事から、日本ではコーヌステレスコープのみが行なわれているという事が分かりました。

そこで、コーヌステレスコープはK.H ケルバー、レジリエンツテレスコープはE.ケルバー、リーゲルテレスコープは技工マイスターのH.グリュンドラーに原稿依頼して、草稿して頂きました。

その結果、テレスコープには各種のものがある事が認知されましたが、依然として異質なコーヌスクローネが日本では行われていました。

また、日本の臨床家の人たちがコーヌスクローネの本を出版し間違ったコーヌスクローネが広まってしまいました。

そこで、私は『コーヌスクローネとリーゲルテレスコープのカラーアトラス』と『正統派コーヌスクローネ』を出版しました。
現在でもコーヌスクローネを使った補綴を多く行っていますが、全く問題なく経過しています。

コーヌスクローネの維持力は基本的には変わりがありません。それは基本に忠実に行っているからです。

最も重要な事は内冠の研磨方法です。内冠研磨で最も大切な事は内冠の表面を確実にストレート仕上げをする事です。そのための研磨器を開発し、カボ社から発売しました。

確実にストレートに仕上げした内冠に外冠を作るのですが、この時パターンレジンを使う事です。内冠と外冠の適合状態が重要です。

鋳造の際埋没材により調節を行いゼロフィッティングさせます。この操作により永続した維持力が保たれ、調節する必要はありません。

また、使用する金属は貴金属で作らなければなりません。私は、オロフルイド3という、スイス製の金属を使用しています。
私の症例では30年間使用しているのが多くあります。基本的には維持力調整は不可能である、という意識を持つべきです。

コーヌスクローネのトラブルの原因に歯根破折があります。

その原因は無髄歯を支台歯に使ったために起こるものです。従ってコーヌスの支台歯には有髄歯を使うことです。コーヌスを行うからということで歯髄を取ってしまうことには絶対反対です。歯根破折をまねいてしまうからです。

コーヌス適応の注意点は、

1.有髄歯を使うこと。
2.設計には静力学的な考慮を行う事。
3.使用金属は貴金属。
4.内冠研磨は器械研磨 。
5.鋳造はゼロフィッティング。
6.禁忌症は他のテレスコープを使う事です。

以上の注意点を守れば、コーヌスは局部床には良い方法です。

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当時稲葉先生が出版した
『正統派コーヌスクローネ』が冊子になりました!

他では入手することができない一冊、販売もしておりますので、ぜひお手に取って頂けたら幸いです。

⇒書籍の詳細はこちらから
⇒コーヌスクローネの効果について疑問をお持ちの方はこちらの記事をぜひご覧ください

また、『コーヌスクローネとリーゲルテレスコープのカラーアトラス』については、

◆「テレスコープシステムセット」
https://ipsg.ne.jp/?page_id=70#001

・『予防補綴に最適なテレスコープシステムの臨床

稲葉繁がこれまで発表してきたテレスコープの文献を一冊の本にまとめた著書の中にすべて入っています☆

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