Seminar report

’23 2/11・12(土・日) 『パーシャルデンチャー・テレスコープシステム理論と実習コース』開催されました①

’23 2/11・12(土・日) 『パーシャルデンチャー・テレスコープシステム理論と実習コース』開催されました①

2023年2月11日・12日と2日間に渡り、『パーシャルデンチャー・テレスコープシステムの実習コース』のセミナーが開催されましたので、報告させて頂きます。

本セミナーでは、テレスコープシステムの基礎は勿論のこと、臨床ステップ・設計の考え方などを実習を交えて学んで頂きます。 また長年多くのテレスコープ義歯を制作されている歯科技工士の先生に技工作業を通して、臨床の注意点や歯科技工士からの視点でテレスコープを解説して頂く、とても貴重なセミナーとなっています。

歯科医師の先生は、日常、歯科技工士の仕事を直接見る機会はなかなかないと思います。

やはり最善の治療を行うためには、歯科医師と歯科技工士が共通の考えを持ちながら、患者様と向き合う事が大切だと考えていますので、歯科技工士の先生の仕事を見て・聞いて・触れる事ができるとても意義のある時間となるはずです。 ですので、まずパーシャルデンチャーの設計を学びたい先生やテレスコープシステムを臨床に取り入れたい先生・テレスコープシステムのケースをいくつも経験しているが改めて設計など確認したい先生など幅広い先生方に満足して頂けるセミナーとなっています。

またラボサイドに関する時間も多く取っていますので、歯科医師だけでなく歯科技工士の先生方にも毎年全国から参加して頂き、大変好評をいただいています。

まずはIPSG包括医療研究会 代表 稲葉繁先生にテレスコープシステムの概要を講義して頂きました。

1886年にテレスコープクラウンは始まり、R.W,Starrによって1906年Gustas Preiswerkの文献に掲載されました。

その頃から現在まで、特にドイツではとても多くの臨床に用いられた歴史のある治療方法です。

稲葉先生は1978年Tübingen大学に客員教授として留学されました。 元々はDr.Will Schulteの顎関節の論文に興味をもちドイツに留学されましたが、そこで行われていたテレスコープを用いた臨床に衝撃を受け、Körber教授の元、臨床から技工作業までの全てを学ばれて日本に持ち帰られました。

また日本ではテレスコープといえば、コーヌス・クローネのイメージが強いかと思いますが、テレスコープには様々な種類があり、IPSG包括医療研究会ではコーヌス・クローネ、リーゲルテレスコープ、レジリエンツテレスコープの3種類を主に用いて臨床を行なっています。 その全てを稲葉先生がドイツから持ち帰られました。

私もドイツに留学した経験がありますが、言葉や文化が異なる環境でアジア人が認められる為には、相手に尊敬されることが絶対的に必要なことだと思います。 稲葉先生がされてきた経験を聞くたびに、ドイツの先生方からの稲葉先生に対するリスペクトを感じますし、異文化の中でこれだけ多くのものを学んで日本に広めている稲葉先生に心から敬服しています。

またTübingen大学では1967年からクラスプデンチャーを教えていないということを聞いて、現在の日本の保険歯科治療の停滞を強く感じました。

続いてコーヌス・クローネの制作手順をついて講義がありました。

コーヌス・クローネを臨床を行うときに、いくつか重要なポイントがあります。 その中の一つにオクルーザルコアを使用し、外冠印象採得を行うということです。 コーヌス・クローネは、内冠と外冠をゼロフィッティングで適合させますので、内冠と外冠との位置関係がとても重要となります。

その位置関係の再現性のエラーをなくす為にオクルーザルコアは必要不可欠なアイテムとなります。

次に稲葉先生のテレスコープシステムを用いた長期症例を見せて頂きました。 上顎にはリーゲルテレスコープ、下顎にはコーヌス・クローネを用いた症例です。

稲葉先生が治療された数々の長期症例がこのテレスコープシステムの何よりの裏づけとなっています。 午後からは、IPSG包括医療研会特別会員ラボインテックの高木清孝先生とWeber dental laborGMBH代表の石川太一先生にデモ実習をして頂きました。

高木先生には、歯根膜・粘膜支持型のテレスコープデンチャーであるコーヌス・クローネとリーゲルテレスコープの技工作業を見せて頂きました。 コーヌス・クローネの内冠軸面は、約5~7度のコーヌス角を設定し、楔力を持って維持力を発揮します。 ですので内冠軸面の角度が均一であることや研磨がしっかりされていることは、コーヌスクローネを成功させる上でとても重要なこととなります。 その重要性にいち早く気づいた稲葉先生は、KaVo社のEWLと共にテレスコープデンチャー制作用横型研磨器を開発・製造されました。

現在、ドイツではほとんどの歯科技工所に置かれている、必要不可欠な機材となっています。 実際に高木先生にコーヌスクローネ内冠研磨をして頂き、その利便性や内冠の綺麗さを強く感じました。

続いてリーゲルテレスコープのデモ実習に移ります。 今回は、片側リーゲルテレスコープも制作して頂きました。 片側リーゲルテレスコープは、片側遊離端症例にとても汎用性に高い治療方法となっています。

リーゲルテレスコープは、レバーとそのレバーが入る鍵穴によって維持力が発揮されます。 その作業の緻密さや細かさに驚かされることばかりでした。 続いて粘膜負担型テレスコープデンチャーであるレジリエンツテレスコープの制作は、石川先生にして頂きました。

レジリエンツテレスコープは、残存歯に維持を持たせません。 ですので、口腔周囲筋や舌、粘膜によって維持安定させる為、総義歯制作に準じた知識や技術が必要となる治療となります。 それに伴い内冠形態も変わってきますので、内冠製作における勘所を伝えて頂きました。

またこの内冠上部に付いているのは、約0.3mmの厚みのある箔が付いています。 これは粘膜沈下分の補正を行なっています。 完成時に内冠合着後まで除去をせずに治療や制作を行います。

義歯床制作は、加熱加圧重合システムであるイボカップシステムを用いています。 臭いが付きにくく、変色しにくい義歯床が製作でき、均質なレジンのため靱性に優れ、完全重合によりレジン歯への優れた接着を可能にします。 以上で1日目が終了となりました。 初日からとても内容の濃いセミナーとなりました。

2日目も稲葉先生の講義を初め、パーシャルデンチャーの設計や症例相談など、最後まで充実した時間となりましたので、改めて報告させて頂きます。 最後までご愛読ありがとうございました。 稲葉歯科医院 歯科医師 林聡一

▼レポート②はこちら
https://ipsg.ne.jp/-report2/

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