Seminar reportセミナーレポート
’15 6/27,28(土,日) 顎咬合学会 講演④〜超高齢社会に対応する最新テレスコープシステム〜
- 外部向けセミナー(学会での登壇など)
2015年顎咬合学会
IPSG副会長:岩田光司先生 ~テーブルクリニック~
レポート:歯科医師/小西浩介先生
6月28日、顎咬合学会のテーブルクリニックにおいて、IPSGの副会長である岩田光司先生による『超高齢社会に対応する最新テレスコープシステム』の講演がありました。
今回テレスコープシステムの講演は数少なく、貴重な講演でしたのでたくさんの先生方にお集まり頂きました。お越し下さった先生方、本当にありがとうございました。
岩田先生は、今回のシンポジウム、ランチョンセミナーで講演された元日本歯科大学教授 稲葉繁先生が率いるIPSGの副会長であります。IPSGでもご自身のコースを持たれるなど、そのプレゼンテーションは素晴らしく非常にわかりやすいと定評で未来のIPSGを背負う先生です。
今回はテレスコープシステムの臨床について講演と実演をして頂きました。
昨今の歯科においては、可徹式補綴物が改めて注目されています。とくにテレスコープは、適応症が1歯欠損から1歯残存まで幅広く、残存歯を守ることができ得る優れた治療方法だと思います。
そのテレスコープの多用性を示すために、今回はレジリエンツテレスコープの臨床症例を挙げて、臨床ステップの実演も交じえながら説明して頂きました。
日本の高齢化社会では、咬合崩壊が著しい状態の患者様が非常に多くなってきていると岩田先生は言います。しかしそのような場合、クラスプ義歯ではどうしても限界がでできます。
また60・70代の患者様に対しての補綴処置は、患者様の老後のことも十分考慮したものにしなければならないと言います。
メンテナンスがしやすい、修理がしやすいという環境にしてあげる方が患者様の負担になりにくいとのことです。まずはテレスコープの有効性から説明して頂きました。
そして、レジリエンツテレスコープの症例を挙げて解説して頂きました。今回は数種類あるテレスコープの中でも、少数残存歯症例にとくに有効なレジリエンツテレスコープに焦点をあて、臨床ステップを細かく教えて頂きました。
レジリエンツテレスコープの特徴、構造、適応症から丁寧に教えて頂けたため、初めてレジリエンツテレスコープの話を聞く先生にも大変わかりやすいものとなったと思います。
日本では、テレスコープはコーヌスクローネしかあまり知られておりません。
そのため今回、日本では珍しいレジリエンツレスコープが講演されているのに対して、興味のあまりか足を止めて頂けた先生が多いように感じられました。
今回は、SIバイトトレーの説明と実演もして頂きました。
SIバイトトレーとはテレスコープ、総義歯などの咬合採得を行うものです。従来の咬合採得よりも非常に簡単で、咬合採得とフェイスボートランスファーを同時にできる画期的なものです。
これはIPSG最高顧問の稲葉繁先生が発案されたものです。特に少数残存歯症例において非常に有効で、その具体的な使用方法をマネキンを用いて説明して頂きました。
また臨床ステップだけではなく、技工ステップも並行しながら教えて頂き、歯科医師が知っておくべき技工のポイントも教えて頂けました。
今回はレジリエンツテレスコープの基本的な説明から一連の治療の流れまで、一貫して教えて頂けましたので、とても理解しやすいものとなったのではないでしょうか。
テレスコープには他にもリーゲルテレスコープやコーヌスクローネなどがあります。これらを症例によって使い分けすることによって、様々な患者様の口腔内に対応することができます。是非、他のテレスコープについても知って頂ければと思います。
今回たくさんの先生方から質問を頂戴しました。
テレスコープに以前から疑問を持たれていた先生方には、とても有意義な時間になったのではないでしょうか。今回は短い時間でしたが、本当に盛りだくさんの内容を教えて頂きました。しかし実践するためにはより詳しく、また他のテレスコープについても知って頂いた方が良いと思います。
IPSGでは、年間コースの中にテレスコープシステムの研修会もご用意しておりますので、是非一度足を運んで頂き、稲葉繁先生がドイツから直輸入した本場のテレスコープの技術を学んで頂ければと思います。
レポート:歯科医師/小西浩介先生
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IPSGでは、歯の治療だけに注目せず、歯科医師が担っている「恒常性の維持」の1つである食物摂取系を支える歯科医療を目指しています。
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