Seminar reportセミナーレポート
’19 7/13,14,15(土,日,月祝)『総義歯ライブ実習コース』開催されました②
2019年7月13,14,15日と総義歯のLive実習が行われたので、ご報告させて頂きます。
今回は7月14日 2日目の模様をお届けします。
2日目の午前中は、個人トレーを用いたゴシックアーチの描記と上下同時印象を行いました。
稲葉繁先生が考案されたゴシックアーチは、歯列上に3点で描記します。
通例の1点法では描記板と描記針が口腔内の中央に位置する為に舌を後退させながらゴシックアーチを描きます。
しかしそれでは下顎は後退しており、正しい顎位でのゴシックアーチを描けていない点が問題でありました。
歯列上でのゴシックアーチでは、舌を後退させることなく正しい顎位でゴシックアーチを描くことが出来るのです。
また上下個人トレーの間にスペースがあることにより、印象材が頬側と舌側に行き来をし、かかる圧力を均等にすることができます。
上下同時印象法を行うことで、ゴシックアーチ・咬合採得・フェイスボウトランスファーをも同時に採得でき、患者さまの来院回数を少なくし、患者さま自身の咬合力を用いて印象採得ができます。
その後石膏コア・舌コアの作成を行い、人工歯配列を行います。
引き続き石膏コアの作成や人工歯配列は小平雅彦先生にして頂きました。
その他にも中沢勇太先生・峰岸真沙彦先生・丸山耕平先生など多くの歯科技工士の先生方にも多くの人サポートをして頂きました。
今回のセミナーを通して、歯科医師と歯科技工士がしっかりと連携をとり、情報を共有することの大切さをより強く感じました。
上下同時印象法では、口唇の印象採得もできるため、その口唇のラインを基準に石膏コアを作成し、上顎前歯の配列基準として用います。
また舌コアを作成し、舌の位置を想定した位置に、下顎の配列を行なっていきます。
このように口腔周囲筋・口唇・舌のコアに囲まれたデンチャースペースに正確に配列をしていきます。
なので、何にも邪魔されることなく空気の侵入を防ぎ、確実な義歯の安定を得ることができます。
その後試適を行いました。
上顎はまだポストダムを作成していませんが、しっかりと吸着をし安定しています。
下顎も舌運動を行なっても持ち上げることもなく、しっかりと安定しています。
また患者さまの表情が日に日に明るくなっていくなが見て取れ、とても素敵な笑顔を見せていただきました。
明日はいよいよ最終日です!
埋没・重合・研磨から装着、患者さまの声などレポートさせて頂きます
レポート:稲葉歯科医院 歯科医師 林聡一
▼レポート③はこちら
https://ipsg.ne.jp/full-denture-live-2019-report3/