Questions歯科治療に関するQ&A
Q:矢状顆路角と側方顆路角について教えてください
前方決定要素とは前歯の滑走、後方決定要素とは関節の滑走のことを言います。
顆路とは側頭骨の関節窩に対して、下顎頭(顆頭)が関節円板を介して、顎が動いていく状態のことをいいます。
その中で、下顎が前方に動いていく道を矢状顆路角といいます。
側方運動では、平衡側で矢状顆路角の前内下方を通ります。これを側方顆路角といいます。
通常、この矢状顆路角、側方顆路角は咬合平面に対する角度で表し、咬合平面は、カンペル平面(補綴平面)とほぼパラレルであるため、カンペル平面となす角度としてとらえることができます。ギージーは矢状顆路角は平均33度としています。
側方顆路角は矢状顆路角より、さらに内方を通るため、角度は5度程度急になります。矢状顆路角と側方顆路角のなす角度をフィッシャー角と呼んでいます。フィッシャー角は5度です。
さらに、これを水平面に投影した角度をベネット角といいます。その角度はギージーによれば、13.9度でありますが、ランディーンによれば、下顎の側方運動開始から4ミリのところで、サイドシフトとよばれる動きが現れ、これをイミディエートサイドシフトと呼んでいます。
最初の4ミリを超えると、差がなくなり、その平均値は7.5度で個人差はみられません。
矢状顆路角、矢状切歯路角、歯牙路の角度の違いよって歯の接触形態が変わるため、どのような理想咬合を付与するか見極める必要があるでしょう。
縄文人は3つの角度が同じ、Full balanced occlusionでしたが、現代人は矢状切歯路角、前歯の角度がつき、臼歯が離れるDisclusionの形態に変わりました。
そのようなことを考えながら、リハビリや咬合の回復を行っていただくことが大切です。
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咬合の決定要素〜矢状顆路角〜とは
YouTubeチャンネルにて、矢状顆路角や側方顆路角について、わかりやすく解説しております。今後もベネット角や様々な咬合の要素についても動画をアップする予定ですので、ぜひご覧いただきたいと思います。