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作業側顆頭の動きのバリエーションについて、純粋な回転運動のみならず、後方に微力移動する場合の咬合器の調整法などありますでしょうか?

Q:作業側顆頭の動きのバリエーションについて、純粋な回転運動のみならず、後方に微力移動する場合の咬合器の調整法などありますでしょうか?

Q.作業側顆頭の動きのバリエーションについて、純粋な回転運動のみならず、後方に微力移動する場合の咬合器の調整法などありますでしょうか
A. 下顎骨は双頭性の特殊な関節のため、左右が同時に動きます。

下顎運動は回転と滑走で成り立っています。下顎前方運動の時は、左右が同時に滑走します。

開口運動は初期には回転のみで、さらに開口すると滑走し最大開口となります。

下顎を左右に動かすと動かした側は回転し、それに伴って反対側は前内下方に滑走します。

これが側方運動ですが、作業則顆頭は純粋な球体ではないので側方へ移動して行きます。この側方移動をlaterotrusion(ラテロトゥルージョン)といいます。

下顎頭は純粋な球体ではなく球体を複数横に並べた様な形態をしており、様々な方向へ移動しながら回転します。

上方へ行くのがlaterosurtrusion, 下方に向かうのがlaterodetrusion,前方に向かうのがlateroprotrusionそして後方に行くのがlateroretrusionと称します。

この動きを咬合器で再現することはかなり困難です。その理由は咬合器の顆頭球の形態は真円であるため、生体の下顎頭とは違う動きをするからです。

咬合器で作業側の運動を全く同様に再現できる物はありません。しかしほとんど近似値に動かす装置はあります。

1つは咬合器の顆路に予め与えてある物、もう1つは顆路の角度に合わせたパーツが準備されている物があります。

プロターの場合にはシフトアングルというパーツがありますが、これでも完全という訳にはいきません。

チェックバイトを採得し、平衡側の角度を調節する際、平衡側の顆頭が浮き上がることがしばしば見られます。

この場合には咬合器の限界であり、全調節咬合器の上壁を削り込んで調節を行ないます。

しかしこの現象が出ても上下顎の噛み合わせは正常の形態に製作し、作業則の二アーセントリックをわずかに調節すれば問題はありません。

最も大切なことはセントリックを確実に採得し、咬合器に付着することです。

Laterotrusionやベネット運動について、YouTube動画にて詳しく解説しております。ぜひご覧いただき、チャンネル登録をしていただけると嬉しく思います。

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