Questions歯科治療に関するQ&A
Q:コーヌスクローネを手で研磨したときと、機械で研磨したのでは、どのくらい研磨面に差があるのでしょうか?
すなわち、内冠の表面を確実な直線で仕上げる事です。直線に仕上げるためにはフィリーハンドでは不可能です。
どんなに注意しても丸みが付いてしまいます。
この結果、曲線に仕上った物は、装着直後は維持力が出ますが、しばらくすると維持力が落ちてしまいます。
したがって、フリーハンドで研磨する方法を習った人は、維持力を継続するのが困難であるためコーヌスクローネの評価を落としてしまいました。
それに比較して、器械研磨した物は確実な表面の直線仕上げにより、永続性のある維持力が得られ、義歯を長期に使用する事ができます。
確実な方法としては、ミリングマシーンを使い表面を直線で仕上げる方法、あるいは私が開発した横型研磨器を使う方法があります。
この研磨器はディスクを回転させて、この表面に内冠の表面を当てると確実に直線に仕上がります。研磨ディスクは荒研磨から鏡面仕上げが出来、簡便確実であるためにカボ社からのK9内冠研磨器として発売されました。
このため、コーヌスクローネの本場ドイツで評判となり、海賊版まで売られる様になりました。そのため私はシュトゥットガルトのマイスターシューレに招待され、コーヌスクローネの研修を行った経験があります。
その後、この方法で国内で研修を重ねて来ました。
鏡面仕上げした内冠にパターンレジンで外冠を作成し、埋没剤をコントロールしゼロフィッティングさせたコーヌスクローネは確実に長期に使用する事ができます。
当時、日本で多く行なわれている方法を見直す目的で「正統派コーヌスクローネ」という本を出版しました。
このたび一部を復刻し、研修受講者に読んでいただける様にしました。
ドイツから帰国後多くのコーヌスクローネを使用した補綴物を行って来ましたが、その多くが今でも機能しているのが事実です。
ぜひ、正しいコーヌスクローネを使用した補綴物を行っていただけるように願っています。
当時稲葉先生が出版した
『正統派コーヌスクローネ』が冊子になりました!
他では入手することができない一冊、販売もしておりますので、ぜひお手に取って頂けたら幸いです。