Questions歯科治療に関するQ&A
Q:ベネット運動とはどのような運動でしょうか。
また、どのような診断に応用できるのでしょうか。
とくに最近では死語に近い言葉であります。
この言葉はイギリスの補綴学者Benett(1907)の名を冠して造られた言葉で、下顎の作業側顆頭の動きを表したものです。
つまり作業側の顆頭は側方運動では外側方に移動し、反対側の平衡側は前内下方に滑走します。
しかし作業側の運動は単に側方へ移動するのみではなく、その方向を持っています。
そこで現在では、この側方への動きを細かく分類し、ラテロトゥルージョン(Laterotrusion)と呼ぶようになりました。
37年前に私はDr.Stuartの講義の中で下顎の作業側顆頭の動きの方向を上下左右の4方向への移動を、真横はラテロトゥルージョン、上側方をラテロサートゥルージョン(Laterosurtrusion)、下方をラテロディトゥルージョン(Lateroditurusion)、後側方をラテロリトルゥジョン(Lateroritrusion)前側方をラテロプロトゥルージョン(Lateroprotrusin)と教わりましたが、現在ではベネット運動はラテロトゥルージョンと呼ばれるようになりました。
ベネット運動の際に起きる平衡側顆頭の動きに影響してきますが、これもベネット運動の際に現れる現象からベネット角と呼ばれています。
現在ではサイドシフト(Sidesift)と呼ばれ、平衡側顆頭の側方への移動を表しています。
ランディーン(Lundeen1973)によれば7.5°、保母先生は12.8°であるという研究結果があります。
KaVoProter evo咬合器には、このパーツが用意されており、作業側顆頭への移動が可能となっています。
この作業側顆頭の移動は下顎運動の際の咬合面への影響があり、咬頭の高さや溝の方向に影響を与えています。
ぜひ、参考にしてみてください。
ベネット運動について、YouTube動画にて詳しく解説しております。ぜひご覧いただき、チャンネル登録をしていただけると嬉しく思います。