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Q:咬合調整についてなのですが、上下の歯に咬合紙の色がついたら、 上と下のどちらを削れば良いのでしょうか。

Q.咬合調整についてなのですが、上下の歯に咬合紙の色がついたら、上と下のどちらを削れば良いのでしょうか。
A.咬合調整についてのご質問ですね。

咬合調整はバランスの取れた噛み合わせをつくるために、バランスを崩している歯を削合、上下の歯のかみ合わせを修正し、顎関節の安定をはかることが目的になります。

咬合調整に際し、いきなり口腔内で調整をしてしまうことがないように、しっかりした診断のもとに行うようにしましょう。

上下の歯列模型を印象採得し、それをフェースボウトランスファーし、CRとCOのずれを診断し、これを一致させるように調整します。

そしてその後に偏心位の調整をしていくのですが、私はギシェー法を行っています。

すなわち4ステップの調整を行います。

第1ステップは中心位の調整です。
咬合器には中心位のレコードを取り、上顎を付着します。

そうすると大半の患者ではCRとCOは一致せずに、いずれかの歯が接触し、シーソー現象が現れます。

このとき、馬蹄形の咬合紙で両面が色の違う咬合紙をお勧めします。
その理由は、例えば上顎に青色、下顎に赤色を付ますと、咬合紙を取り除くと模型の上顎には赤色、下顎には赤色が付きます。

その後、再び何も使わないで咬合させますと、青と赤が反対の歯列につきます。
あるいは、赤と青が混じり合い紫色の点がついてきます。
したがって一番薄い咬合紙であるといえます。

咬合調整の原則は咬合高径を変えないことです。
そのためには、スタンプカスプは削らないことです。

咬頭頂は残して反対側の窩を広げるようにします。
原則は、咬頭頂は残すということです。
その後CRとCOの高さが一致した後に第2のステップに移ります。

第2のステップは下顎前方位でDUMLの調整です。

下顎の前歯を上顎の前歯に持って行ったときに、臼歯が接触してはならないということです。
下顎前方の誘導は、必ず前歯で誘導しなければなりません。

第3のステップは側方運動です。

これはBULLの法則に従います。
作業側では、犬歯あるいはその前後の歯すなわちグループファンクションドオクルージョンにします。
このときBULLの法則では、削る歯を指定している法則だということです。

すなわちBUは上顎では頬側斜面を、下顎ではLLで舌側を削るということです。

さらに平衡側ではスタンプカスプの内斜面同士の接触となりますから、咬頭の通り道に溝を掘ります。

大臼歯ではスチュアートグルーブを掘るということになります。

これは咬合面にはゴシックアーチが隠れており、ゴシックアーチの方向に溝を掘るということになります。

第4ステップはニアーセントリックです。
セントリックからわずかに動いたときに、臼歯が誘導していないかを確認します。
インレーなどの充填物がある場合には、しばしばこの接触が観察されます。

この場合にも窩を広げなければなりません。
この結果として、CRでは臼歯が安定して接触するとともに、関節の中で顆頭は安定し、バランスの取れた咬合を造ることが出来ます。

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