予防補綴のすすめ

「予防補綴」という言葉を聞いたことがありますか?

以前からIPSGの稲葉繁先生が推奨していた言葉なのですが、2004年には日本歯科評論から「予防補綴のすすめ」 という書籍を出版し、全国の先生に伝えました。

書籍「予防補綴のすすめ」

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予防補綴とは?

(『予防補綴のすすめ』の書籍より)

国際歯科連盟(FDI)では2000年にMinimum Interventionという新しい概念を学会誌で推奨しました。

我が国でもMIの概念として、歯科医療における最小の介入が叫ばれていて、歯を切削することがあたかも罪悪であるかのように訴えています。

確かに自分の歯で一生を送ることができれば最高の喜びで、誰もがそれを望み、実現したいと願っています。

口腔疾患の予防は歯科医院での取り組みも広がりつつあり、その効果は大きいものです。

しかし一方で、中高年の多くはう蝕や歯周疾患に罹患している人も多いという現実があります。

そこで最小の介入に固執するあまり、すでに疾患に罹患している状態をただ静観し、歯の切削は良くないとばかりに何もしないでいたならば、ますます状況を悪くしてしまう結果となるでしょう。

中高年で咬合の崩壊が予測される場合には、積極的に咬合の回復と、永続性のある歯の固定を行う必要があると判断しなければなりません。

このような機会に消極的な治療介入を行い、少数歯にストレスを集中させる結果、最終的には残存歯を徐々に失ってしまうという状況に追い込まれてしまいます。

そのような結果を招かないためには、歯の切削を行い、全顎的に歯の固定を行うとともに、咬合の安定を図り、長期に口腔内で機能する補綴を行うべきだと思います。

筆者はこれを「予防補綴」と位置づけ、機をみて最大限に介入(Maximal Intervention)する必要があると考えています。

結果として残存歯が長期的機能できるような方法を選択し、老後のQOLに寄与する補綴を選択するべきです。

すでに悪い状態の口腔内の患者さんに対して、Minimum Interventionをしていたら、ますます状況が悪化してしまうでしょう。

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予防補綴のすすめ」をもしまだお読みになっていない先生がいらっしゃいましたら、ぜひおすすめしたい一冊です。

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2004年に出版されたものですが、今、このときを予測していたかのような内容ですので、ぜひお手に取ってみてくださいね。

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