Seminar reportセミナーレポート
’16 3/20(日)『顎関節症の臨床と治療』稲葉繁+IPSG副会長岩田光司コラボセミナー開催されました
2016年3月20日に『顎関節の臨床と基礎』が開催されましたので、ご報告させて頂きます。
今回も全国から多くの歯科医師、歯科技工士の先生方に、お集まり頂きましてありがとうございました。
現在の日本では顎関節症の治療において、咬合からアプローチすることは否定的な考えのように感じますが、咬合が原因である顎関節症は少なくないのではないでしょうか。
そのような患者様をどのように診断し、どのような咬合治療ができるのか。
今回は咬合からアプローチする顎関節症治療についてのお話を講義、そして実際の患者実習を行いました。
今回はIPSG代表の稲葉繁先生とIPSG副会長の岩田光司先生によるコラボセミナーでした。
まずは、稲葉繁先生から顎関節症の原因についてお話して頂きました。
特に顎関節症を引き起こしてしまう咬合の状態とは、どのような状態かを正常の咬合と比較しながら解説して頂きました。
顎関節症の治療における咬合の考え方は先生方で大きく違うように感じます。
稲葉繁先生は現在も日本顎咬合学会の咬合を教育する第一線にも立たれており、稲葉繁先生は咬合の大家と思われている先生は多いのではないでしょうか。
実際稲葉繁先生は、海外の名高い先生方から知識や技術を直接学ばれており、稲葉繁先生の咬合に対するお考えは、数多くの先生方の知識の集大成にしたものであります。
その稲葉繁先生から咬合を教えて頂くことは、非常に貴重なものだと思います。
今回、咬合についても深く教えて頂き、咬合と顎関節症は密接な関係であることをご説明して頂きました。
そして、顎関節症の状態をわかりやすい写真で解説して頂きながら、顎関節症の診査方法も教えて頂きました。
続いて顎関節症の治療の内容について、Dr.Schulteの規格化された顎関節症の診断・治療システムに沿って、岩田光司先生に解説して頂きました。
このDr.Schulteの顎関節症の診断・治療システムは、具体的な治療方法が決められているため、非常にわかりやすいものです。
稲葉繁先生はこれらを基に顎関節症の治療をされています。
今回は講義のみの予定でしたが、特別に実際に顎関節症でお悩みの患者様をお迎えして患者様実習を先生方にご覧になって頂きました。
実際の咬合が原因による顎関節症でお困りの患者様に、スプリントのみで果たして患者様を治療することはできるのでしょうか。
今回ご説明させて頂いた診査方法、咬合からのアプローチの治療方法に基づいて、実習を行って頂きました。
まずはKAVOプロター咬合器を用いて、咬合診断を行い、顎関節に影響を及ぼしている原因を探ります。
今回はインレーが干渉していたため、その部分の咬合調整を行いました。
この後の治療も重要ですが、正確な診査診断が顎関節症の治療に必要不可欠であると稲葉繁先生はおっしゃっていました。
そして、顎関節症の原因となっているインレーの咬合調整を行いました。
このようにIPSGセミナールームでは、受講生の先生方はお席から稲葉繁先生の手元まではっきり見ることができます。
インレーの干渉部分を調整することで、今回ははっきりと顎関節症の改善が認められました。
咬合診断診断を行うことで、正確な咬合治療、根拠ある咬合調整が可能となり、顎関節症の改善を行うことができます。
今回の講義、実習で多くの先生方の顎関節症の治療に対する考え方が大きく変わったのではないでしょうか。
受講生の先生方のお声を聞かせて頂きますと、
・今まで顎関節症は治らないものだと思っていた
・根拠もなくスプリントを患者様に長年使って頂いていた
・自分の作った補綴物が顎関節症を引き起こさないようにしたい
というお声が多かったです。
今後もIPSGは咬合を基盤とし、総義歯、テレスコープシステム、顎関節症治療などの普及に努めたいと思います。
今回ご参加して頂いた先生方、本当にありがとうございました。
またのご参加をIPSG一同心よりお待ちしております。
レポート/歯科医師 小西浩介先生
▼稲葉繁先生のご講義と臨床治療の実際を拝見し、大変勉強になりました。
ご指導に心より感謝しております。
岩田先生、有難うございました。今後ともよろしくお願い致します。
▼とっても楽しかったですし、これだけ明確に科学的にTMDのメカニズムを教わったのは初めてなのでびっくりすることが沢山あり、勉強になりました。
▼顎関節症のセミナーは初めての受講だったので勉強になりました。
今後に活かしたいと思います。
▼咬合診査の重要性をあらためて認識させられました。
▼これまでは顎関節症の患者さんが来院したらソフトタイプのマウスピースを装着して、経過観察しているだけでした。
IPSGで学んでからは咬合調整で治せるとういうことでとてもショックを受けました。
まずは咬合診断!これがなければ先には進めないと思います。