Seminar reportセミナーレポート
’19 1/13(日) 『正統派コーヌスクローネセミナー 〜設計と適応症〜』 開催されました
レポート:Weber Dental Labor GmbH 峰岸真沙彦先生
このセミナーはテレスコープシステムの理論を細かく学ぶことができる講義です。
2月10日(日)、11日(月)に高木清隆先生による技工作業が間近で見ることができる「パーシャルデンチャー・テレスコープシステム実習コース」が行われるので、事前に知識を習得できるようになっています。
稲葉繁先生は1978年、西ドイツのチュービンゲン大学に顎関節症や咬合を専門に客員教授として留学。その時に日本では見たことのない精密なデンチャー、テレスコープシステムを知る事になり、本場ドイツの手法を全て学ぶチャンスを得ました。
当時、日本では沢山あるテレスコープシステムの中のコーヌスクローネだけが、広まっていましたが、ドイツで行われている製作方法とは全く違い、禁忌症も理解されていませんでした。
そこで、稲葉先生は「正統派コーヌスクローネ」という書籍を出版し、それを元に現在様々なテレスコープシステムを適材適所に患者様のお口の中の状態に応じて安心・安全に補綴できるようになりました。
日本の歯科医療では、残念ながら保険制度では最良の方法で義歯を製作することができないため、歯を失ったり、痛みがあったりしながら、何度も義歯を作り直す患者様が多くいらっしゃいます。
テレスコープシステムは、生涯一義歯を最終目標とし、できる限り修理をしながら長く使っていただくように設計の段階から考えられています。
また、テレスコープシステムに必要な歴史や理論、機械や器具など丁寧に教えていただきました。
Kavoのユニットにする事で他とは比べ物にならない水の排出量で支台歯を抜髄することなく、支台形成できるそうです。
患者様の口腔を咬合器に再現する為には、フェイスボウで確実に記録することにより、誰でも正確に咬合器付着することができます。
人の身体は本来シンメトリーであるのに技工物が斜めに出来てしまうと全身に悪影響を与えてしまうそうです。
稲葉繁先生はいつも治療するときは上下全顎で治すことを勧めています。
技工作業では、稲葉繁先生が考案した横型研磨機や、コナトアなどをなぜ使用するのか述べられました。
続いて岩田光司先生に代わり、稲葉繁先生の講義で話された内容を一つ一つはなされていました。
テレスコープシステムの臨床や絶対にやってはいけない禁忌症も詳しく説明していただきました。
テレスコープシステムは適材適所に使われ、特にコーヌス・リーゲル・レジリエンツの3つがよく使われるそうです。
コーヌス、リーゲルに対応できない症例の場合はレジリエンツテレスコープを使用することによって、テレスコープシステムは総義歯以外すべてに対応できる技術だと確信しました。
私たち技工士が使うコナトアの説明をしていただき、なぜ使うのか、使うことでどうなるのかおしえていただきました。
私自身が臨床でコーヌステレスコープを控えているので、改めて聞けてよかったです。
また、岩田光司先生の臨床で、女性の患者様のお話をしていただきました。
どのような経緯で初診を受けてから、仮義歯、本義歯までの工程で心境や辛かった事、期待などを細かく書かれていたことはとても勉強になりました。
何年もの間、食べれない、痛い、人に会いたくないなどあったと思います。
また、テレスコープシステムだけでなく審美についてもお話していただき、数値化することによって、人工歯排列などの参考にできる知識も教えていただきました。
セット時に患者様が話しづらいなど指摘された時の対処法などもはなされていました。
最後に質疑応答に移り、受講生の先生方は意欲的に稲葉繁先生、岩田光司先生へ質問され、より知識を深めました。
今回も日本全国からご参加いただきました先生方ありがとうございました。
▼来月のセミナーで理解を深めたいと思います。宜しくお願いいたします。
▼咬合診断の大切さ、テレスコープにおける設計、禁忌症など間違った設計と知識では、結果はやはり間違ったものとなってしまいます。
そういって重要性を再確認できました。
また今回のセミナーはいつもよりディスカッションが行われており、楽しかったです。
▼毎回ですが、いつもわかりやすく説明して頂き、有難うございます。
全てのお話がとても勉強になりました。
これからも勉強させて頂きます。有難うございました。
▼毎度ながらとてもわかりやすい興味深いセミナーでした!
▼まだ勉強を始めたところなので、これからも参加したい。
▼このセミナーを何度か再受講させて頂いております。
テレスコープシステムは何症例かやらせて頂いておりますが、やればやるほど壁にぶち当たってしまいます。
そんな時、ベーシックにもどることによって、解決策が見えてくることが多々あります。
やはり何事も基礎は大切だと思います。今回もとても勉強になりました。