Seminar report

’19 12/15(日) IPSG Scientific Meeting 2019~ 学術大会 開催されました

’19 12/15(日) IPSG Scientific Meeting 2019~ 学術大会 開催されました

  • IPSG学術大会

IPSG Scientific Meeting 2019「THE CHANCE」~学術大会~が開催されましたので報告させて頂きます。

この度社団法人IPSG包括医療研究会は皆様に支えられながら創立25周年を迎えることができました。
これまでのあたたかいご支援とご指示に深く感謝申し上げます。

2019年のテーマは「THE CHANCE」。

今回の学術大会で学んだ事をチャンスと捉え、すぐに実行し、日常臨床の向上に役立てて欲しいという願いが込められています。

今回の特別公演では、元国際緊急救助隊であり、元ニューヨーク州救急隊員のサニーカミヤさんをお招きしました。

~サニーカミヤさんのプロフィール~
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際救急援助隊所属。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。

世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人 ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人 ピーズウィンズ レスキューアドバイザー、防衛省 消防防災技術指導員など。

そんなサニーカミヤさんには「今から出来る防災準備と災害時の歯科保険医活動」というテーマを話していただきました。

災害が多く発生している日本で、歯科医師が求められていること、また自分自身をしっかり守り抜き、歯科医医院を守るためには、しっかりとした心構えと準備が大切だとおっしゃられていました。

 

皆さんは「地震ハザードカルテ」をご存知でしょうか?

住所を入力するだけで、その地域の地震発生確率や大きさの予想などを地盤から検索してくれるのです。

自分の地域は今後30年間で震度5強の地震発生率が99.6%と驚異の数字が出てきました。
いつ大地震が起きてもおかしく無い状況だと改めて感じさせられました。

また自助活動の5原則として「適時性」「先行生」「並行性」「完全性」この4つを軸として「全体性的の視点」を持って、自ら判断を下すことが大切だと教えていただきました。

IPSGのように4つの軸から成り立っているなぁと一人で感心してしまいました。

「全体的の視点」とは、Good,Better,Bestを持ちつ続けること。
判断の根拠が51%以上あれば十分。90%のハイスコアは望まない。
なぜならば、災害現場は常に変化する為正確性よりもスピードが優先される為です。
いつ災害が起こるかわからない日本にいる私たちにとって、とても意義のある原則だと感じました。
このようなことを行動する日が来ないことを願いますが、今回教えていたことを胸に留めながら日々生活して行きたいと思います。

教育公演として愛知学院大学生理学教室教授 平場勝成先生をお招きしました。

平場先生には、顎関節の解剖と顎関節に関わる筋肉、特に外側翼突筋の働きについて講演して頂きました。

とてもわかりやすいスライドや動画と共に、顎関節の働きや関節円板との関わり、それに関係してくる外側翼突筋の働きなどとても細やかに講演していただきました。

また平場先生の講演は、稲葉先生が普段臨床で顎関節症の治療をしている裏付をしてくれているかのような話の数々でした。

このように生理学の観点から、顎関節について学ぶことができたとても貴重な経験をさせていただきました。

IPSG包括医療研究会 代表 稲葉繁先生には、「顎関節治療の足跡」という題目の講演をしていただきました。

稲葉先生は、これまでにProf Richter,C.E.Stuart,P.K.tomas,Ingle,Lauritzen,Guichet,KroughPoulsen,Eichner,Koerber,Kleinrock,Schleich,Schulte,Muraokaなどの多く諸先生方から直接教えを受けてこられました。

この経験を下に、顎関節症を咬合からアプローチを行い、これまでに多くの患者を治療されてきました。

稲葉先生が培ってこられた顎関節症治療や咬合理論は、多くの歯科医師に多大な影響を与え、その恩恵を受けた歯科医師は感謝せずにはいられないのです。

また顎関節症の診査診断をシステム化し、治療法を導け出せるようにしていただきました。

このように「咬合」と「顎関節症」は、切っても切り離せない関係というのが「臨床」と「研究」の両側面から実証されたとても意義のある学術大会になったのでは無いでしょうか。

今回の学術大会を 「CHANCE」と捉え、先生方の日々の臨床に生かしていただければ幸いです。

また今年もIPSG包括医療研究会は、「咬合」を中心として「総義歯」「テレスコープ」「顎関節症」「摂食・嚥下」のセミナーを開催して行きますので、ご興味のある方は是非参加して頂ければと思います。

最後までご愛読ありがとうございました。 

 

稲葉歯科医院医院 歯科医師 林聡一

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