Seminar report

’25 3/16(日)『第9期咬合認定医コース最終回』開催されました

’25 3/16(日)『第9期咬合認定医コース最終回』開催されました

2025316日 第9期咬合認定医コース最終回セミナーが開催されましたので報告させていただきます。

まず初めにIPSG代表稲葉繁先生より、「豊かな歯科医師人生を歩むために保険診療と最善な医療の狭間で如何に取り組むか」という題目で、講義をしていただきました。

歯科医療の目的:自分の所へ来て下さる患者様の健康維持、顎口腔系の機能を守る。私達は大事なところを診ている。歯を治療するだけではない、歯は部品。1つのパーツに過ぎない。

「歯科」というと歯を削って、詰めて、抜いて、補綴物を入れる。それだけではなく、それをやって全身の健康をどうとるか、そういう意識が必要。

一人の個体をどれだけ健康にするか、というのが問題。と仰っていました。

「医は仁術」身体の病気を治すことに留まらず、人を思いやり、仁愛の徳を施すことが医の道だという格言。

諺や格言を織り交ぜながら、先生の想いを伝えてくださりました。

保険診療と自費診療:患者さんは口の中を診られて、これはこうやりなさい、と言われても納得しません。

レントゲン、CT、模型を咬合器に着ける、写真を撮る、理由付け、説明をする事。患者さんを怒っては絶対ダメ。守ってあげなければならない。家族と同じ様に思わないといけない。自分がその患者さんだったら、一番やってもらいたい事はどんな事か、自分に置き換えて考えてみる。それを説明する。説明するのに時間を惜しんではいけない。裏付けは学問的であること。

保険と自費の大きな違いは、材料の良し悪しよりも「技術差と診療に掛けられる時間、計画的な口腔全体の管理を対象とした診療」。

自費診療の場合には、それなりの施設、技術と知識の研鑽、保証が伴っていなければならない。

我々は機能をしっかりやらないといけない。きちんとした事をやって、結果が患者様の為になって、ずっと長持ちするということ。

その場限りではダメです。20年、30年、安心して居られる形をとらないといけない。それを目指す。

[予防]

予防医学が一番大切。予防をしてもオクルージョンは予防出来ない。智歯が生えて来る事は予防出来ない。歯は必ず狂ってきます。前に前に倒れて来る。

10428本の歯を持つ患者様のお話と、歯科医師による適切なコントロール、管理が必要だという事を伝えてくださりました。

[フィンランドの歯科事情]

フィンランド・トゥルク大学 「キシリトールの父」と呼ばれるアリエ・シェイニン教授

白樺から採れるキシリトールをガムに入れる。それまで日本では子どもに甘いものを食べさせてはいけません、と言われていた。そこを逆手に取って甘いもので虫歯の予防を行う。朝、昼、晩、1粒食べさせる。

フィンランドは12歳まで虫歯ゼロ。18歳まで保険で矯正も受けられる。歯科医師は90%が女性。開業医は殆どおらず、保健所に勤務している、とのお話を聞かせてくださりました。

[予防補綴]Maxmal Intervention最大限の介入

患者さんが一生懸命に磨いているのに、それに応えるような補綴が出来ていない。そういうものに対して全顎的に介入し、最良の状況を作り出し、結果としてLONGEVITYを実現するのが我々の務め。

この考え方を予防補綴Maximal Interventionと位置付けしている。この目的を達成するには、最良の歯科医療を身に付けなければならない、と症例の写真を紹介しながら教えてくださりました。

締め括りに、稲葉先生から受講生の先生方へのメッセージを送られて、講義は終了いたしました。

休憩時間を挟み、午後からは認定医試験、口頭試問形式の試験が行われました。

あみだくじで順番が決まりましたが、あみだくじより緊張が走るのは、受講生の先生方ご自身が答える問題のくじを引いた時だったように思います。

問題は、「関節円板の転移しているときの症状はどの様なものですか。その検査方法は?」「4大咀嚼筋について説明をして下さい」「顎関節の構成要素について説明をして下さい」「将棋の駒理論とは、どんなものですか」等、咬合に纏わる問題でした。

  

試験は見事全員合格されました!!

休憩が入り、今期受講生であられる、

吉祥寺中道通り歯科 中地浩之先生から、3ケース症例相談がありました。

受講生の先生方との質疑応答やディスカッション、IPSGの講師の先生方からのアドバイスもあり、3ケースともしっかりとした結論へ導かれていて、稲葉先生の意見を伺って終了いたしました。

サティフィケート授与

上野精養軒にてパーティー

美味しいお食事を頂きながら、活発なお話が交わされ、皆様との楽しいひと時を過ごす事ができました。

受講生の先生方、全国から受講しにおいでくださり、ありがとうございました。

合格おめでとう御座います。皆様の益々のご活躍を祈念しております。

Weber dental labor 越津 穂

開催予定のセミナー

開催日 セミナー名 講師(予定)
2025.8.2.SAT〜2025.8.3.SUN ’25 8/2〜 8/3(土・日)顎関節症ライブ実習コース 稲葉繁先生
岩田光司先生
2025.11.16.SUN ’25 11/16(日)筋機能療法・エントレ 稲葉繁先生
飯塚能成先生
2025.12.14.SUN ’25 12/14(日)IPSG Scientific Meeting 2025 ~ 学術大会 〜 現在未定

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