Seminar reportセミナーレポート
’24 11月17日(日)『筋機能療法』セミナー開催されました
稲葉繁先生とIPSG会長飯塚能成先生の『筋機能療法+エントレセミナー』開催されたので、ご報告させていただきます。
稲葉先生が大学院の頃、今から40年以上前、舌に興味があり、舌の文献を沢山集め始めました。
そして、同時に顎関節症の研究もしていたので、よく観察しているとどういうわけか、顎関節症の患者様の舌の圧痕、歯列の圧痕、口蓋鄒壁の肥厚をみつけ、気になり始めたそうです。
たまたま、30年ほど前、今の筋機能療法学会の大野先生という方が連れてこられたアメリカのツィックフーズという先生、医者ではなく医学療法士の講演を聞く機会があり、マイオファンクショナルセラピーのことを知ったと言います。
その当時は顎関節症と舌壁の関係について全くやっていませんでした。
ツィックフーズ先生の講演の後、稲葉先生は質問したそうです。
「顎関節症と舌壁の関係についてどう思われますか?」
当時の答えは、
「わからない」だったそうです。
そして、さらに稲葉先生は一生懸命舌の働き、さらには摂食・咀嚼・嚥下について研究してきました。
『摂食・咀嚼・嚥下』を育てるには、元をたどれば母乳からだということも、その時確信したそうです。
出だしを間違えると生涯の問題になります。
舌によって歯列ができ、頬でしっかりとサポートさせます。それに合わせて上顎の歯列が並ぶのです。このような経緯で、エントレを開発しました。
今回は、正しい舌の使い方のほか、実際に間違った嚥下の方法をしていることにより発症する顎関節症の症例や舌壁の治療法について、具体的な話がありました。
舌壁と顎関節症は非常に密接に関わっています。
歯科医師の専門分野は、歯や歯周組織だけではありません。
顎口腔系、そして全身の診断が必要ですし、咬合治療は歯科医師にしかできません。
ぜひ、歯科医療を大きく見ていただきたいと思います。
飯塚会長は、稲葉先生が発案したエントレで素晴らしい結果をだしてくださっています。
エントレは高齢者の介護予防、麻痺や嚥下障害のある者、意識障害のある者に対してのリハビリに大変有効な器具です。
口腔機能訓練器具エントレを使用して口腔機能訓練をする事により舌圧、口輪筋などの口腔周囲筋ばかりでなく呼吸に必要な筋肉や姿勢を保つのに必要な筋力がアップするため、嚥下や呼吸が改善され、消化機能や循環機能の改善が見られるのではないだろうか。
またエントレをくわえるだけで多量の刺激唾液が出るので唾液量の少ない高齢者にとって自浄作用効果が期待でき、呼吸に必要な筋力までアップし、消化機能、循環機能の改善も期待できるということがわかりました。
今回も、全国よりお集まりいただいた先生方誠にありがとうございました。
もっとしっかり伝えようと思いました。
衰えてしまった機能をリハビリすることで
もう一度常食を食べられるようにできると知りました。
開催予定のセミナー
開催日 | セミナー名 | 講師(予定) |
---|---|---|
2025.7.19.SAT〜2025.7.21.MON | ’25 7/19~21(土・日・月祝)総義歯ライブ実習コース | 稲葉繁先生 岩田光司先生 |
2025.8.2.SAT〜2025.8.3.SUN | ’25 8/2〜 8/3(土・日)顎関節症ライブ実習コース | 稲葉繁先生 岩田光司先生 |
2025.11.16.SUN | ’25 11/16(日)筋機能療法・エントレ | 稲葉繁先生 飯塚能成先生 |
2025.12.14.SUN | ’25 12/14(日)IPSG Scientific Meeting 2025 ~ 学術大会 〜 | 現在未定 |
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