Seminar reportセミナーレポート
’17 11/5(日)【名古屋開催】インプラント時代のテレスコープシステムセミナー開催されました①
こんにちは。Weber dental labor 稲葉由里子です。
先週末11月5日、名古屋のKaVo社セミナールームにて「インプラント時代のテレスコープシステムセミナー」が開催されました。
講師は、IPSG理事代表である稲葉智弘先生、IPSG副会長の岩田光司先生です。
名古屋でテレスコープシステムセミナーを開催することは、ほとんどありません。
だからこそ、名古屋近辺の先生方にとって大きなチャンスになったのではないでしょうか?
ご参加いただいた方の中には、技工士の先生も多数いらっしゃいました。
テレスコープシステムは、歯科医師と歯科技工士の連携が非常に重要となるので、ぜひ一緒に勉強をしていただきたいと思います。
最初に稲葉智弘先生から、IPSGの紹介をさせていただきました。
東京のセミナールーム、Weber dental labor での研修の模様、また代表の稲葉繁先生についてもご紹介させていただきました。
稲葉繁先生とテレスコープシステムの出会いは、ドイツチュービンゲン大学補綴学講座のケルバー教授のもとに客員教授として留学をしたことに始まりました。
その後、イボクラーの補綴部長シュライヒ先生からは、シュトラックデンチャーを学びました。
世界の名だたる巨匠から一次情報を得て、現在IPSGの会員の先生方にこれまで培ってきた知識をお伝えしています。
稲葉智弘先生は、日本歯科大学附属病院口腔外科 臨床講師であり、顎変形症診療センター医員として、年間250症例の顎変形症の患者様を5名のドクターで手術をし、4年間その世界に没頭してきました。
インプラントも得意としているため、沢山の症例を行なっています。
口腔外科出身の智弘先生が、それでもテレスコープが必要だという今回の講演は非常に説得力がありました。
通常、1症例6時間から8時間かかるような手術です。口腔外科医、麻酔医、矯正医と連携し手術を行う風景から緊迫感を感じました。
皆さんの歯科医院の強みは?明確に言えますか??
「患者様に優しく」などは、当たり前なので、先生方の得意としている事を明確に持つことが大切だということです。
稲葉智弘先生の稲葉歯科医院では、ドイツ式入れ歯治療の他に外国人診療が強みです。
13年間アメリカで衛生士をしていた方、フランス人の受付、インプラント科に在籍していた専門の衛生士、英語とフランス語でコミュニケーションをとることができる智弘先生の奥様。
稲葉歯科医院のメンバーです!
入れ歯だけではなく、顎関節症においてもIPSGで身につけた知識は他の誰にも負けません。
日本の保険義歯の現状は、かなり悪いです。
インプラントをしたいが、全身的な理由でできない。
手術が怖い。痛いのが嫌い。
などの患者様は、実は沢山いらっしゃいます。
すでに、咬合崩壊や歯周病がかなり進んでいる方が沢山いらっしゃいます。
そのような方に、ミニマムインターベンションをしていたら、患者様は長い間苦しんでしまうことになります。
最大限の介入=マキシマルインターベンションが必要な方は、実は沢山いらっしゃるのです。
昨今、間違ったコーヌス・クローネを沢山見ることがありますが、そのほとんどは見よう見まね、自己流で行われているものです。
IPSG副会長、岩田光司先生より、症例を交えて詳しく解説をしていただきました。
岩田先生の講演内容は、テレスコープにとどまらず、色々な要素を織り交ぜていて飽きさせません。
まずは、顎関節症の患者様のクローズドロックの解除方法を動画でご覧いただきました。
全ての治療において、咬合が基礎となること、フェイスボウトランスファーを行い、咬合診断を行う重要性をお話いただきました。
また、義歯の設計において非常に重要なお話がありました。
テレスコープシステムの必要条件は、
・可能な限り歯周組織が健全であり有髄歯
・できる限り多くの残存歯
・歯槽堤が固く、被圧縮性が少ないこと
・支台歯動揺を少なくするため長い義歯床
遊離端は長ければ長いほど、支台歯に負担が少ないことを知っていただきたいと思います。
コーヌスクローネの禁忌症についても、沢山のパワーポイントを用いて説明してくださいました。
特に、歯列を対角線上または真横に横切るような症例、小臼歯のように前後的中間部の場合は、コーヌスクローネの禁忌症となるので注意してください。
このように、対角線上に横切ると、回転を起こし、歯を引き抜いてしまう力が生じてしまいます。
バーの設計について、前パラタルバー・中パラタルバー・後パラタルバーの動きやてこ作用を比較し、どの位置が最適か、歯に1番負担が少ないかをお話していただきました。
コーヌスクローネ製作に不可欠な機械研磨。
フリーハンドで研磨したものは、コーヌスクローネではありません。
また、コナトアの使用により、ネガティブヴィンケルを減少させることもでき、コーヌスクローネの欠点と言われる審美性も解決することができます。
着脱方向時に平行性を保ちながら、0~6度の範囲で自由に内冠形成する装置です。
回転リーゲル、旋回リーゲルの違いをわかりやすく動画で説明していただきました。
この、細やかなパワーポイントは岩田先生の涙ぐましい努力の賜物だと思います!
岩田先生ご自身の設計ミスや失敗症例など、包み隠さずにシェアしてくださり、非常にためになる臨床症例の数々を見せていただきました。
今回は、1日セミナーですが、内容は盛りだくさんでした!
▼レポート②はこちら
https://ipsg.ne.jp/implant-telescope-201711-report2/