Seminar reportセミナーレポート
’12 5/13 『ハーモニックオクルージョン ~審美と咬合のハーモニー~』セミナー開催されました
こんにちは。IPSG事務局、稲葉由里子です。
2012年5月13日、『ハーモニックオクルージョン』~審美と咬合のハーモニー~が開催されたのでご報告させていただきます。
こちらは稲葉先生が書いた絵で、人は異性がいてはじめてお洒落をするという、審美の原点を描いたものです☆♪
中央にいるのが女性でその両脇を男性が取り巻いています^_^
今回のセミナーは、稲葉先生が、1991年から4年間に渡り、日本歯科評論に連載したコラム「美の追究」をもとにした内容です。
1991年当時、稲葉先生は、審美歯科についてある程度考えをまとめていました。
若い方からお年寄りまで、歯のある方から残念ながら失ってしまった方まで、それぞれの審美歯科があります。
歯を白くするということはもう、そんなに難しいことではありません。
稲葉先生の審美歯科はどちらかというと『ごまかしのテクニック』だと思います。
そんな、すべての患者様が良い条件ではありません。
歯が入るスペースもないかもしれないし、矯正ができない状態かもしれません。
『ごまかしのテクニック』はそんな時最大限の効果を発揮します(*^_^*)
ということで、稲葉先生がどのように審美歯科を考えるかということを丸一日たっぷり聞いていただきました。
『人の歯列はなぜこんなに上手くできているのか』
審美と咬合のハーモニーについて、アンテリアーガイダンスの重要性が今回、本当に詳しく解説がありました。
前歯はエステティックとファンクションの2つの役割があるにもかかわらず、今審美については材料の話ばかりです。
材料に分析と機能をどのようにつけていくかという事が、非常に重要なのにもかかわらず、それについて重要視されていません。
犬歯は平衡側の顎関節から一番遠い位置にあります。
歯冠、歯根比が長い、緻密骨である、感覚受容器(レセプター)が発達していることから、天然歯の歯の誘導に最適です。
本当に人の歯列はなぜ、こんなに上手くできているのでしょうね^_^
アンテリアーガイダンス、前歯の誘導のあて方についての説明です。
ギージーは矢状顆路角の平均は33度、この矢状顆路角+7~10度を与えるのが理想的で、+20度、25度だときつくなるから注意が必要、と稲葉先生の話がありました。
矢状顆路角を咬合器上で33度に設定し、インサイザルテーブルに10度角度をつけても同じことです。
そして、前歯の誘導で臼歯が離れる量は最低1ミリとるように、切端の噛みこみの深さが2ミリ以上の場合は注意が必要、ディープバイトは関節に悪影響を及ぼすということも気を付けないといけないと話がありました。
アピアランスガイド、基準線についての説明です。
適当に患者様に説明してもわかりません。
きちんと、アピアランスガイドの線を引いて模型上で説明をすることが重要です。
◆FRC フェイシャル・リッジ・クレスト (歯冠の長さ、歯軸の方向を表す線)
◆LA ライン・アングル (歯冠の幅を表す線で、隣接面に移行する歯軸線)
◆GCC ジンジバル・カンター・クレスト (歯冠を横切りPCに関係する豊隆線)
◆ICC インサイザル・カンター・クレスト (審美性に関係する豊隆線)
その他にも、CF-line(セントラルフォッサライン)、LI-O-line(リンゴオクルーザルライン)、BO(バッカルオクルーザルライン)の説明がありました。
このようなお話は、他では聞けないですね☆♪
歯の黄金比、1:0.618の法則
デンタル・イリュージョン。審美とは、『ごまかしのテクニック』です☆♪
本当に盛りだくさんな内容で、1日では話が足りない程でした。
今回プレゼントさせていただいた、「美の追究」の合冊本にすべて書かれているので、後で復習して頂きたいと思います。
こちらは、以前私がドイツシュツットガルトで見学させていただいた、技工士の大久保先生がお勤めのラボで、大変素晴らしい仕事を見させていただいた時のものです。
「審美歯科をするならば、一度は自分でセラミックを焼くように」
どんなに大変な作業か、患者様に説明できるようになるからです。
稲葉先生は、陶材の物理的性質の論文で学位をとったので、この辺りもとても詳しいです。
Claud Sieberという稲葉先生の友達の技工士は、1本のセラミックの技工料が25万です。
日本ではドクターでもそんな値段はいただいていません(@_@;)
最低でも5~60万は患者様からいただかないと成り立ちませんが、ドイツではそういう治療が行われています。
http://www.claudesieber.com/
↑Claud Sieberのホームページ、美しいです☆♪
最後に稲葉先生の全顎セラミックの症例を多数、ご紹介。
その中には、技工士の川崎従道先生とのコラボ上下全顎セラミックの症例がありました。
14年前のものです。14年前も、現在と歯頸部の位置が全く狂わず、そして、ポーセレンのチップもないことに、審美と咬合のハーモニーの重要性をしっかりと感じました。
岩田先生の審美の症例も多数紹介。
しかも、かなりの難症例を、審美と咬合の分析により、完璧に修復されていました。
今度、岩田先生のセミナーが開かれるので、色々な角度で写真を撮ってみました(^_-)-☆
セミナー終了後の懇親会です☆本当に有意義なセミナーでした。きっと先生方にもご満足いただけたと思います。
先生方からの感想を一部ご紹介させていただきます♪
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◆審美の背景にある知識、哲学が膨大ですごいセミナーでした。美に対する意識が変わりました。全顎補綴の患者さんは完璧な治療で歯科の全てを網羅されていてビックリしました。岩田先生の症例も全部素晴らしかったです。
◆稲葉先生がいつも簡単に調整や補綴してるように見えますが、根拠がとてもあるんだという事を痛感させられました。「美の追究」を読んで自分の点の知識を線で結べるようにしたいです。根拠に基づいた治療が出来るようになりたいです。
◆審美の規準を知れたこと
◆impの方法を知れたことが良かったです
質疑応答がとても濃かったです
スマイルラインの誤解の話はすごかったです
◆昨年受講した時に美の追究の本を見て、じっくり読んでみたいと思いました。今回手に入ったことで嬉しかったです。他では聞けない審美の話を聞くことが出来て有意義でした。たくさん症例が見れたのも大変参考になりました。
◆ 何回も聞きに来ていたつもりでしたが、私の忘れていた話や新しい話が沢山あり、とても勉強になりました。日常臨床に活かしたいと思いました。
◆基本コンセプトを知ることが出来てすごく参考になりました。スマイルラインに対する考えが間違っていたことがわかりました。
◆審美を知る上で知らないことを沢山教えて頂きました。有難うございます。
◆単純に「歯」だけの話だけではなく、雑学的なことも聞けて楽しかったです。特に最後の質疑応答はかなりためになりました。
◆機能美を考慮した補綴物を今後も臨床で作成していきたいです。
◆知らずにすんでしまっていたことを再度基本を勉強したいと思いました。「美」の考え方はおもしろかった。参考になりました。
ご参加いただいた先生方、本当にありがとうございました☆♪
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IPSGでは、歯の治療だけに注目せず、歯科医師が担っている「恒常性の維持」の1つである食物摂取系を支える歯科医療を目指しています。
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