Seminar report

’23『総義歯ライブ実習コース』開催レポート1日目

’23『総義歯ライブ実習コース』開催レポート1日目

こんにちは。IPSG事務局、稲葉由里子です。

2023年7月15~17日の3日間「総義歯ライブ実習コース」が開催されましたので、ご報告をさせていただきたいと思います。

患者様は32歳女性。ご相談をいただいた中の一部分です。

「重度の虫歯や歯周病になっても病院に行くこともできませんでした。ボロボロになってしまった歯を恥ずかしいと思うようになりました。

こんな状態の口内をお医者様に見せた時に、まだ32歳でなぜこんな状態になるまで放置したのかを問いただされたときに言葉で説明する恥ずかしさとフラッシュバックしてパニックになってしまったらどうしようと勇気が出なく
今回長々とメールをさせていただきました。

診察中にパニックを起こすことはないと思いますが私のような少しメンタルが不安定な者でも診察を受け入れていただけるのでしょうか。」

なんとかして差し上げたい気持ちで一杯になり、今回の総義歯ライブ実習コースにご協力いただけないかどうかお伝えしたところ、

「たくさんの方々に見られることは、恥ずかしい気持ちと不安などで正直抵抗はございますが稲葉先生が私のことを考えてくださりご提案してくださったこと大変嬉しく思います。稲葉先生のお力に少しでもなれるのでしたら、ぜひ参加させてください。」

と快く引き受けてくださりました。

総義歯は、患者様の人生、生き方を一気に変えることができる治療技術だと思っております。

スタッフ、受講頂いている先生方と共に、患者さまの第2の人生を応援したいと思います。

ヨーロッパより長く引き継がれてきたシュトラックデンチャー(総義歯)は、沢山の開発者が関わり作り上げてきたものです。

それを、IPSG代表である稲葉繁先生が忠実に総義歯の外形やコンセプトを守り、マテリアルの進化に合わせよりダイナミックな手法で患者様に貢献できるようにシステム化しました。

患者様の上下の模型、スタディーモデルの印象です。

下顎が非常に小さく、既成のトレーでは大きすぎたため、3Dプリンターで作ったトレーを患者様のサイズに合うように削って印象採得を行いました。

上下の顎間関係は、SIバイトトレーを用います。

SIバイトトレーは、大変便利な器具で、フェイスボートランスファーと咬合採得が同時にできるため、チェアタイムの短縮にもなりますし、何よりも確実です。

SIバイトトレーを用いてフェイスボートランスファーを行なっている実際の様子です。

スタディーモデルを元に作られたのが、こちら。

上下顎同時印象用の個人トレーです。

こちらの装置には、総義歯制作に必要なすべての要素が組み込まれています。

その前に、上下別々に印象を行うと、かみ合わせの位置決めは別々に行われるため、最終的に誤差を生じることがあります。

また先生の手加減により、総義歯の形が小さくなったり大きくなったりします。

それにより、先生によって上手くいったり、いかなかったりする事があります。

上下顎同時印象法は、患者様自身の筋力によって作り上げられます。

具体的には、印象中に唾を飲んでいただきます。そうすることによって、食事をしている状態を再現する事ができます。

口腔周囲筋、舌、唇の記録を採ることができるという、こちらの装置一つで沢山の情報を手に入れる事が出来るのです。

ゴシックアーチもトレー上で描きます。

そして、顎の動きの出発点、中心位にディンプルを掘り、この位置で上下顎同時印象を行います。

フェイスボートランスファーも同時に行えます。

そして記録した、印象がこちら。

患者様のすべての情報がここにあります。

1日目は、ここまでです!

懇親会の様子です。

大変充実したセミナーとなりました。先生方、患者様ありがとうございました。

2日目に続きます。

総義歯ライブ実習コース2日目レポート

 

 

 

 

 

 

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