Seminar report

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤IPSG VIP会員、特別会員の講演

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤IPSG VIP会員、特別会員の講演

レポート:歯科医師 小西浩介先生

IPSG Scientific Meeting 2015 「THE LEGEND」でご講演頂いた、IPSGのVIP会員、特別会員の先生方のレポートをまとめてご紹介します。

この記事では、

・モンマ歯科 岡村哲也先生
・あらやしき歯科医院 院長 嶋倉史剛先生
・湘南歯科医院 院長 奥山千恵先生
・医療法人社団 秀峰会 稲葉歯科医院 伊庭由夏先生
・飯塚歯科医院 院長 IPSG包括歯科医療研究会 会長 飯塚能成先生
・稲葉歯科医院 山吹町 江上静子先生

のレポートを掲載しております。

モンマ歯科 岡村哲也先生

今回の学術大会の2番目の講演者は、モンマ歯科 岡村哲也先生です。
『テレスコープシステムを用いて咬合再構成を行った一症例』をご講演して頂きました。

岡村先生はテレスコープシステムを日常臨床に多く使用されている先生で、1つ1つの診療ステップについて素晴らしいご講演をして頂きました。

今回の症例は、難症例と言われるすれ違い咬合の症例を、上顎はレジリエンツテレスコープ、下顎はコーヌステレスコープで対応された症例内容でした。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

上顎に用いられたレジリエンツテレスコープは、少数歯残存症例にとても有効であることを解説して頂きました。

また、下顎に用いられたコーヌステレスコープについては、本場ドイツで行われている製作ステップを細かく解説して頂きながら、咬合再構成を行う基準などもご講演して頂きました。

岡村先生はご講演の最後に、テレスコープシステムはこのようなすれ違い咬合の症例にも有効な方法の一つである、ということをお話されていました。

一つ一つの診療ステップをわかりやすく解説して頂きまして、素晴らしいご講演でした。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

あらやしき歯科医院 院長 嶋倉史剛先生

岡村先生の次は、あらやしき歯科医院 院長 嶋倉史剛先生による『下顎遊離端欠損にコーヌステレスコープデンチャーを適応した一症例』のご講演でした。

嶋倉先生は大学病院の歯周病科に在籍されていたご経験もあり、歯周治療の素晴らしい技術に加え、テレスコープシステムのような補綴治療をされている、専門分野が多岐にわたる先生でいらっしゃいます。

今回はテレスコープシステムでの補綴治療の過程において、正確な咬合診査・診断を行うことが非常に重要であるということを、改めて私たちが気づかされた講演内容でした。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

咬合診査を根拠のある基準を用いて診断され、それらをどのようにコーヌステレスコープで改善していくかという過程を、分かりやすくご講演して頂きました。

そして、ご講演の最後に座長である稲葉繁先生より

『現在の日本ではコーヌステレスコープには様々な風評があります。しかし適切な方法で行えば、今回のように患者様にとても満足して頂くことができる補綴方法であり、コーヌステレスコープは有効な補綴方法の一つであると改めて認識できる』

というコメントを頂きました。

嶋倉先生のようにコーヌステレスコープも、ドイツからのオリジナルな方法で製作することが患者様の長期予後の良い結果に繋がるのではないでしょうか。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

湘南歯科医院 院長 奥山千恵先生

午前中最後の講演者は、湘南歯科医院 院長 奥山千恵先生でした。
『尋常性天疱瘡と顎関節症を併発した患者への治療の一例』という内容でご講演して頂きました。

今回の症例はテレスコープシステム、顎関節治療、摂食・嚥下に対するリハビリテーションなど、様々な治療方法をおりこむことで、患者様を治癒の方向へ導いた、とても高度な技術を用いられていた内容でした。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

術前は口腔内のみならず全身状態も大変厳しい状況でしたが、歯科医師として口腔内からアプローチすることで、口腔内だけではなく、全身状態も改善していったという素晴らしい症例内容でした。

座長の稲葉繁先生も『このような難症例にひるむことなく、一つ一つ問題点を確実に解決していくことができる技術・知識・取り組む姿勢は非常に素晴らしい』と高い評価をされていました。

私たち歯科医師の仕事は、全身に深く関係しているものであると改めて感じることができたのではないでしょうか。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

医療法人社団 秀峰会 稲葉歯科医院 伊庭由夏先生

稲葉繁先生に次いで、医療法人社団 秀峰会 稲葉歯科医院 伊庭由夏先生による『歯科臨床18年目をむかえて』のご講演でした。

伊庭先生は、稲葉繁先生のもとで学生の頃から学び続けられている先生で、稲葉繁先生の技術、歯科医療の考え方などを忠実にご自身の診療で活かされていらっしゃる先生です。

今回は多くの症例を交えながら、伊庭先生が想う歯科医療の考え方をご講演して頂きました。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

テレスコープシステムや咬合治療など、稲葉繁先生から継承された治療方法を、忠実に患者様に提供することで最善の診療をされています。

今回のご講演では素晴らしい技術だけではなく、患者様にどう向き合うかなどもお話して頂き、伊庭先生の優しいお人柄を感じられた先生方も多かったのではないでしょうか。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

飯塚歯科医院 院長 IPSG包括歯科医療研究会 会長 飯塚能成先生

飯塚歯科医院 院長、IPSG包括歯科医療研究会 会長である飯塚能成先生からご講演して頂きました。

飯塚先生は日本老年医学会、国際福祉機器展、地域での講演会において摂食・嚥下分野でご活躍されている、摂食嚥下のスペシャリストでいらっしゃいます。

今回は『ドイツで見た介護と日本の介護との違い』という内容で、ドイツとの違いを感じられたことを検証・考察され、私たちに最善の介護の形のご提案をして頂きました。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

飯塚先生がドイツの介護施設を実際に訪問された際に、稲葉繁先生が考案・製作されたラビリントレーナーをご紹介し、現地の方々が非常に興味を持たれて聞いて下さったようです。

ドイツから教わることはたくさんありますが、日本からもドイツへ発信できるような歯科医療を発信していきたいということをお話されていました。

今後、飯塚先生は日本のみならず世界中でご活躍されるのではないでしょうか。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

稲葉歯科医院(山吹町) 歯科衛生士 江上静子先生

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

江上先生は現在、山吹町の稲葉歯科医院にご勤務されていますが、ニューヨーク市内の歯科医院に15年間にわたり勤務されていたご経歴があり、今回はその体験談をご講演して頂きました。

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート⑤

特にアメリカ人と日本人の歯への関心度の高さの違いや、歯科治療における保険制度の違いなども教えて頂きました。

また、アメリカでの歯科衛生士の業務の詳しいお話もして頂き、大変興味深いご講演をして頂きました。
今回のご講演内容は珍しく、大変貴重なお話を聞かせて頂けて大変勉強させて頂きました。

〒101-0021
東京都千代田区外神田4-7-3 田中ビル5F
TEL:03-3525-8314   
FAX:03-3525-8317