Seminar reportセミナーレポート
IPSG Scientific Meeting 2014 レポート②松木 佳史先生、福永 秀一先生、稲葉 智弘先生
- IPSG学術大会
IPSG Scientific Meeting 2014のレポート第二弾です。
今回は、会員の先生方の発表をご報告させて頂きたいと思います。
『前歯部補綴治療へのアプローチ』
松木歯科医院 院長 松木佳史先生
IPSG包括歯科医療研究会のVIP会員である松木先生による講演です。
松木先生は某美容歯科で勤務され、今回はその経験をお話して頂きました。美容歯科での審美のチェック項目はとても多くありますが、今の診療のように模型を咬合器に付着して診査・診断するということは行っていなかったとのことでした。
しかし、多くの先生方も大手の審美歯科で行われている審美のチェック項目には、大変興味があるかと思います。
松木先生は今までは補綴(審美)中心の治療で、咬合については意識した治療をされていなかったという事でしたが、IPSGで学んだ後は、咬合診断を中心とした治療に変化されたということでした。
前歯部補綴として1症例お話いただきましたが、IPSGで学んでいる咬合理論と審美歯科で培った知識を融合させた、素晴らしい症例を発表していただきました。
審美を中心とした治療から、咬合診断を中心とした治療に変えたことで、「治療後の補綴の予後が良くなった」「首が痛かったのが良くなった」など、他の症状まで改善したなど色々な事を実感されているようでした。
松木先生の講演を聞くことで、改めて咬合診断の大切さと審美の大切さを学ぶことができました。ありがとうございました。
『過去4年間の咬合診断治療(咬合調整)の経緯』
羽生総合病院 歯科口腔外科 福永秀一先生
福永先生は口腔外科の専門医というご経歴で、IPSGのVIP会員として学ばれています。
今回はIPSGで学んでから、4年間で行った顎関節症についてお話していただきました。
羽生総合病医院口腔外科で行っていた18症例の統計を出していただきながら、どういった咬合の方が顎関節症になりやすいのかなどといった研究を熱心になさっており、その結果をご紹介していただきました。
私達IPSGの先生方でも顎関節症の治療はしているが、診断や治療結果を集計してデータとしてまとめるといったことをされている先生は少ないかと思います。
しかし、福永先生はご自身がおこなった顎関節症の症例をすべて見直し、統計をとり、治療の向上に努められておられました。
福永先生は咬合からのアプローチで顎関節症治療が出来る症例に限り、治療をされていました。今回のような結果を紹介して頂けたことで、私を含め、咬合調整を一部の顎関節症を治療できるという事を再確認できたと思います。
口腔外科医という立場でありながら、IPSGで咬合について学ばれ、咬合という観点から顎関節症の診断から治療まで行っているというのは、口腔外科医の中でも稀な先生だと思います。
素晴らしい発表、ありがとうございます。
『Inaba Dental Office』~予防、咬合、補綴治療~
IPSG包括歯科医療研究会 理事代表 / 稲葉歯科医医院 院長 稲葉智弘先生
レポート:佐藤孝仁先生
IPSG包括歯科医療研究会 代表理事 稲葉智弘先生により、山吹町にある稲葉歯科医院の紹介をしていただきました。
稲葉歯科医院に来院される患者様の27%は外国人で、その多くはフランス人とのことでした。ここまで外国人が来院される歯科医院は珍しいと思います。
稲葉智弘先生はインプラント治療も行いますので、IPSGで学べるテレスコープシステムとインプラントとを融合させた歯科治療の症例を発表して頂きました。
今年のIPSGの20周年記念講演でも記憶に新しいと思いますが、これからの歯科医療にはインプラント治療は外せないかと思います。そのため、従来からある可撤式義歯(テレスコープシステム)と組み合わせることにより、より最適なインプラント治療を行えるようになるかと思います。
また、スイスの歯科医療の実態についても説明いただき、日本とスイスの違いについても学べる良い機会を頂きました。
稲葉智弘先生はこの講演を通して、「IPSGで咬合理論や正しいテレスコープシステムを学んでいただき、歯科医療をより良いものになって欲しい」ということを強くおっしゃっておられました。
貴重な症例を発表して頂き、ありがとうございました。
まだレポートは続きます!ご期待ください!