Questions歯科治療に関するQ&A
Q:最近、ノンクラスプデンチャーや金具の見えない入れ歯などが流行っていますが、そのような義歯をどう思われますか?
私が経験する限りでは、数年で支台歯が動揺し、破折してしまうケースがあります。
テレスコープシステムが長期使われる理由、そして支台歯にどのような力がかかっているのかなど教えていただけたらと思います。
このクラスプはレジンで色を歯肉色にする事が出来るため、他人には気づきにくいため喜ばれるようです。
しかし、レジンなので強度を出すためには幅を広くしなければなりません。そのため義歯に必要なレストを付ける事が出来ません。
レストはパーシャルデンチャーにとって無くては成らない物で咬合力を歯に歯軸の方向に伝達するために必要です。
私はこの義歯により支台歯を動揺させてしまっている事実を何回も見ています。その結果ほとんどのケースが抜歯に至っています。したがって、私はこのような義歯は行いません。抜歯鉗子になってしまっているからです。
その反面、テレスコープデンチャーはその様な事は起きません。テレスコープシステムは内冠と外冠の軸面で接触し歯を傾斜移動をさせる事がないからです。
特に、クラスプの場合には、いつもお伝えしている通り、何本の維持歯が有っても歯に密着していても接着はしていません。その結果、義歯の動揺に対し維持歯の傾斜は避けられません。
テレスコープシステムは、歯の傾斜移動ではなく、歯体全体を平行移動させるような力ですから、安定し義歯を動かすような事はありません。
このような力が働きますので、これが逆に弱点として働き、歯の破折を招いてしまうことがあります。
したがって、維持歯を選択する際は生活歯を選ぶ事が条件となります。
生活歯では破折を防止する事が出来ます。テレスコープシステム応用の際、維持歯の抜髄は避けるようにして下さい。
そうすれば、長い間口腔内で機能する義歯となります。
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テレスコープの支台歯は、生活歯が基本です。
まずは抜髄をすることはできるだけ避けましょう。
先日、稲葉先生の患者様でテレスコープ40年症例がでました。
やはり、費用は高いけれど、長期間使っていただけるものは満足度も違うと思いますので、ぜひテレスコープシステムを学んでいただけたらと思います。