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口呼吸から鼻呼吸にするための訓練方法はありますか?

Q:口呼吸から鼻呼吸にするための訓練方法はありますか?

Q.口呼吸から鼻呼吸にするための訓練方法はありますか?
A.新型コロナウィルス緊急事態宣言が出され、月末まで延長されました。

そこで気になったことが一つあります。PCR検査を行う人材が足りないため、歯科医師も加わることになったということです。

鼻腔からサンプルを採取するだけで良ければ簡単な事だと思いますが、そのためには感染予防のため、ゴーグル、マスク、防護服、部屋の消毒など大きな負担がかかります。

さらに検体を検査に送り評価するなど、果たして一般の歯科医院では行えるのだろうかと疑問に思います。

その時メディアは「資格のない歯科医師にも」加わってもらうという表現をしていました。一般の人は歯科医師に対して、この程度の認識しか持っていないのだと感じました。

現在、歯科医師は鼻腔から内視鏡を挿入して嚥下の評価を行うことができます。

行えるのは一部の高齢者歯科であり、一般には行っていないと思います。

これからの歯科医師はさらに境界領域の医療を勉強していかなければなりません。

歯科領域においても大学教育では国家試験のための座学が多く臨床はほとんど出来ません。在宅訪問治療においても卒後研修として行っているにすぎません。

歯と歯肉の治療ばかり重きを置き、顎口腔機能を正常に保つための知識と技術が教育されていないのです。

このような現状で高齢者治療を行っているのが事実です。摂食、咀嚼、嚥下の治療に対しても高齢者は機能が悪いので食べ物は柔らかく流動性の良いものを提供すればよい。その結果、とろみをつけたり舌で潰せる柔らかい物を与え、機能を向上させる対策はほとんど行っていないのではないでしょうか?

さらに、唾液によって抗体検査が可能になるといわれています。私たちは日常臨床における唾液は診療の邪魔になるものとして排唾管で吸いながら治療をしています。

口の中から出てくる唾液はどのような性質で、PHや緩衝能がどのくらいで、細菌がどの程度存在するか等あまり気にして治療を行っていません。

しかし悪い環境の中で治療を行ったら最善の結果が得られるかを考えなければなりません。唾液によって全身の状況が把握出来たり、それが治療に密接に関係するのであれば、さらに重要視していかなければなりません。

リハビリテーションとは「本来持っている正常な姿に戻す」ことです。唇や口腔周囲筋、舌の強化、唾液の分泌量の増加などを増強していかなければなりません。

それにはトレーニングが必要になります。私は40年以上前から口腔周囲筋のトレーニング方法やトレーニング器具について考えてきました。

40年前というと、誰もそのことに触れる人はいませんでした。

それは哺乳期から成長発育期、高齢者の咀嚼嚥下までを通じて訓練の必要性です。

特に哺乳期は本来人間として必要な顎口腔系の学習期です。本来は母親の乳首をくわえ、出にくい母乳を力一杯に吸い込み、乳を飲むと同時に口腔機能の発達をさせます。

母乳行動

そのことにより本来の機能が保たれ口腔周囲筋の発達が行われます。

しかし現在では哺乳瓶を使用し、乳児が楽にミルクを飲み、哺乳瓶の乳首の形態の悪さから、乳児が力を加えて吸わなくても自然に流れ落ちるように流出されるために、逆に乳首を口腔外に舌で押し出す行為を行い、舌癖が生まれることになります。

その結果舌や唇、口腔周囲筋の力が弱いために、歯列は不正咬合をきたしてしまう事が多くあります。

舌は低位隣咬合は開口し、舌の先は嚥下時に前に突出してしまう事により多くの弊害を生じてしまいます。

このような時の治療方法としてMyofunctional Therapy(MFT)がありますが、私はさらに強化策として器具(エントレ)を開発して訓練を行っています。


舌の起始は下顎舌側の棘突起のところに付着しています。人体には206個の骨がありますが、骨格を構成している骨には起始、停止があります。舌は起始が下顎舌側についており停止がありません。

口を開けますので停止があると口が開かなくなってしまいます。本来は停止は上顎舌側についていなければなりません。本来舌の先端は停止に相当する上顎の口蓋皺壁についていると考えられます。

そこで舌の先端は口蓋皺壁に付けるのが正しいと考えられます。したがって嚥下時には舌の先端を前歯の舌側(スポット)に置き、徐々に舌背を中央に押し付けて食塊を咽頭に送り込みます。

その時口唇を閉じ口腔周囲筋に力を入れ、舌を口蓋に押し付けて食塊を送り込みます。

高齢者であったり、舌の力の弱い人は呑み込みが上手くいきません。最近口腔機能が虚弱になっている人をフレールと呼んでいます。このような時にはトレーニングが必要です。

エントレ

エントレはこのように機能が悪くなったり、舌癖があったり、食べこぼしが見られたりする人に対しては最も適した器具であると思います。

嚥下機能の回復や唾液の分泌を良くしたり、様々な効果が報告されています。

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これまで、長くこちらのセミナーを開催して参りましたが、今こそ歯科医師の業務として口腔機能のリハビリテーションを行なっていただきたいと思います。

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