Questions歯科治療に関するQ&A
Q:入れ歯を入れると吐き気がする患者さんにどのように対処したらよいでしょうか?
みてみると上顎総義歯、下顎前歯が残っていてクラスプデンチャーが入っていました。患者さんは上顎の口蓋部分で吐き気を感じるといいます。
デンチャーの床、後縁部は作ってもらった歯科医院で少し短く削ってもらったといいます。どのように対処したらよいでしょうか?
また、サ行の発音がしずらいといいます。こちらに関しても対処方法をお聞きしたいと思います。
口蓋部ではなく舌根部だということを体感して教えてあげると納得するはずです。総義歯は口蓋を覆います。口蓋を削るのは不可能で、安定感もなくなります。
総義歯、多数歯欠損の義歯の後縁の位置ですが、軟口蓋まで延長する必要があります。これはいわゆるアーラインという位置です。
(アーラインとは、「アー」と発音したときに震えるところです。)
軟口蓋まで延長する利点は辺縁封鎖がしやすいことです。硬口蓋が後縁の位置に決定すると、封鎖がしにくくなります。金属床の場合は装着する時、体温に温めることが非常に大切です。
特に冬などでセット時冷たい床がはいるとそれだけで、患者さんは異物感を感じるのです。細かい気配り、説明が大切ですね。
それから発音の問題。発音は義歯の厚みに問題があるかと思います。サ行を発音するときに使うところは口蓋皺癖です。他に、サ、タ、ラ行も口蓋皺癖を使います。ラ行はやや後ろですが・・・
そこの厚みが厚すぎるとサ行がタ行のように発音されます。どちらにしても発音は慣れが必要です。1か月もすれば慣れると思いますが、患者さんは不安なので、よく説明してあげましょう。
IPSGとは
IPSG包括歯科医療研究会は、「医療には最善の方法が実行されるべきである」という稲葉繁先生の信念のもと、海外で学んだ確かな技術を日本の歯科医師に広めることを目的とした研究会です。
「顎関節症」「テレスコープシステム」「総義歯」「摂食嚥下」の4本の柱を軸に、診療姿勢から全顎治療までを基礎から応用まで学べるプログラムを提供しています。専用のセミナールームには最新の設備を完備し、実践的な研修が可能です。



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開催日 | セミナー名 | 講師(予定) |
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2025.8.2.SAT〜2025.8.3.SUN | ’25 8/2〜 8/3(土・日)顎関節症ライブ実習コース | 稲葉繁先生 岩田光司先生 |
2025.11.16.SUN | ’25 11/16(日)筋機能療法・エントレ | 稲葉繁先生 飯塚能成先生 |
2025.12.14.SUN | ’25 12/14(日)IPSG Scientific Meeting 2025 ~ 学術大会 〜 | 現在未定 |
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