Seminar reportセミナーレポート
’20 7/23~25(木祝,金祝,土)『総義歯ライブ実習コース』開催されました①
2020年7月23・24・25日の3日間に渡り、総義歯Live実習が開催されましたので報告させて頂きます。
この総義歯Live実習は、問診から完成・装着までの診療はもちろんのこと技工作業まで全て見学できるセミナーとなっております。
今年も全国から多くの歯科医師や歯科技工士の先生方に参加していただき、大盛況なセミナーとなりました。
まず初めにシュライヒ先生の追悼公演としてIPSG包括医療研究会代表 稲葉繁先生に「総義歯の源流を訪ねて」という講演をしていただきました。
1970年代から公私に渡って親交のある稲葉先生とシュライヒ先生。
元々スタディモデル製作の為に用いられていた上下同時印象を、「最終印象で用いた方がより効果的ではないか?」という着想から、試行錯誤を重ね、現在のIPSG で行われている「上下同時印象法」が誕生しました。
稲葉先生が発案した「上下同時印象システム」を知ったシュライヒ先生は、亡くなられる前に「意志を継いでくれてありがとう」というメッセージを稲葉先生に届けました。
このような源流を知ることで、より良い診療を志した先人達の功績の上に自分たちの診療が行われていることを改めて理解する事ができました。
いよいよ診療が始まります。
患者様初診時の写真です。
全顎的に動揺度は2~3度あり、咬合高径は48mmと平均値より5mm程高くなっていました。
診療計画としては、全顎的に抜歯を行い、上下顎印象法を用いて総義歯を装着していくことにしました。
実習1日目は、問診から始まりスタディモデルの印象採得、フェイスボウ・咬合採得、咬合器付着、個人トレー製作まで行います。スタディモデルの印象は、Accu-Dent-Traysを用いて行います。
このトレーを用いる理由としては、解剖学的にとても優れており、特にサブリンガルルームの印象をしっかりと採得する事ができます。
次にSIバイトトレーを咬合とフェイスボウを同時に採得していきます。
フェイスボウを採得する事で上顎を位置を定める事ができ、それと同時に咬合採得をし下顎の位置を決定していきます。
SIバイトトレーを用いて模型を咬合器にマウントし、個人トレーの製作を行います。
技工作業は、小平デンタルラボの小平雅彦先生に担当していただきました。
この上下同時印象法は個人トレーの中に多くの要素が組み込まれています。
初めての試みであったゴシックアーチトレーサーも無事に個人トレーに設置でき、小平先生の瞬時の対応力はさすがとしが言い様がありませんでした。
1日目はここで終了となりました。
2日目は、上下同時印象から始まり試適まで行います。
その様子などは次のレポートに書いていこうと思いますので、よろしくお願いします。
最後までご愛読ありがとうございました。
稲葉歯科医院 歯科医師 林聡一
▼レポート②はこちら
https://ipsg.ne.jp/full-denture-live-2020-report2/