Seminar report

’17 7/2(日)『総義歯の基礎と臨床』セミナー開催されました①

’17 7/2(日)『総義歯の基礎と臨床』セミナー開催されました①

2017年7月2日に『総義歯の基礎と臨床』のセミナーが開催されましたので、午前と午後に分けてご報告させていただきます。

今回も、全国から沢山の歯科医師、歯科技工士の先生方にお集まり頂きありがとうございました。

今日、超高齢社会となった日本では、総義歯の需要が益々高まっています。
患者さんによりよい入れ歯を提供したい、つくりたいそう思う歯科医療従事者は多いと思います。

IPSG代表、稲葉繁先生が考案されました「上下同時印象による総義歯システム」は考案されて20年以上経過しましたが、患者さまにとっても歯科医師、技工士にとても良い結果を残しております。

「上下同時印象による総義歯システム」は、稲葉繁先生がドイツのチュービンゲン大学で学んだ、シュトラック教授のシュトラックデンチャーの技術を原点とし改良したものです。

今セミナーでは、源流から応用までを稲葉繁先生とIPSG 副会長の岩田光司先生にお話しいただきました。

まずは、稲葉先生からの講義から始まりました。

日本の総義歯の歴史は古く、世界最古だと言われています。
さらにその義歯は蜜蠟を用いて、なんと上下同時印象法で製作されていました。

材料は現在と違って木で製作され、木床義歯と言います。
とても精密に作られ歯槽堤によく適合し、長期期間使用した証拠である摩耗した義歯がみつかっています。

それは、一塊でデンチャースペースを印象採得されているので、位置が狂わない為たど仰っておりました。
一つの物を2つに割り、また戻すと当然のことながら元の位置に戻ります。

理にかなっているこの考え方を原点とし、現代に生かした技術が、上下同時印象だと説明してくださいました。
細かな説明をしてくださる前に、印象採得の動画を視せて頂きました。

受講生の先生方が驚かれているのが手に取るように分かりました。
百聞は一見に如かずと言いますが、これでイメージがつき、次のからスライドの理解がより深まった事でしょう。

上下同時印象の利点はたくさんありますが、その中から1つ紹介させていただきます。

この上下同時印象を成功させるカギは、個人トレーの製作にあります。
そして上下同時印象用個人トレー製作に欠かせないのが、ボーダーがしっかりとれた模型とSIバイトトレーです。

SIバイトトレーに着目します。
これは稲葉先生が開発した無歯顎、または少数残存歯向けに、とても簡便に咬合採得ができる道具です。

これを使用し、模型をマウントします。
咬合採得した位置で個人トレーを製作し、その位置で印象採得が行われる為、理想的なバランスを取る事が可能です。

個人トレーは上顎につけるブーメラン、模型のトリミングの仕方、個人トレーの外形線(特にサブリンガルルームを意識する)、印象時そのままフェイスボウトランスファーする為の六角ネジの取りつけなど、画期的なアイディアがふんだんに盛り込まれています。

講義中は質問が飛び交い、実際の上下同時印象や完成した義歯の外形の説明など、終始あたたかな雰囲気の中、受講生の先生方は熱心に耳を傾けておりました。

午前中はここまでです。
お昼をはさみ、引き続き稲葉繁先生の講義からスタートです。

▼レポート②はこちら
https://ipsg.ne.jp/sougishi-kiso-20170702-report2/

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