Seminar report

’21 8月21日22日(土・日)『顎関節症ライブ実習コース』開催されました②

’21 8月21日22日(土・日)『顎関節症ライブ実習コース』開催されました②

2021年8月21・22日と2日間にわたり顎関節LIVE実習が開催されましたので報告させて頂きます。

毎年全国から歯科医師の先生方に参加して頂き、大変好評のセミナーとなっております。

またIPSG包括医療研究会で開催している『咬合認定医コース』に含まれているセミナーとなっています。

2日目は、模型診断から始まりました。

咬合器は、KaVo PROTE evo7を使用します。

この咬合器はセントリッククラッチがとても強固な為、中心位と咬頭嵌合位のズレをわかりやすく調べることができます。

また稲葉先生が設計に携わっている顎関節部の構造は、人体に類似している為、機能時での模型診断にも大変有効であります。

今回の患者様は、1級・2級のテコ作用が模型診断からあることがわかりました。

このテコ作用を理解することは、咬合治療を行う上でとても重要なことだと考えています。

続いてDigmaによる顎機能検査から始まりました。

この検査は、顎関節の運動を可視化できるとても有効な検査となります。

本セミナーでは、主に中心位と咬頭嵌合位での顎関節の位置のズレや機能時での顎運動を観察していきます。

やはり原因を除去できていない為、前日にマニピュレーションを行い関節円板を復位させましたが、元の状態に戻っていました。

まずは今の顎機能検査結果です。

特に右側方運動がうまくできていないことがわかります。

この模型診断・画像診断・顎機能検査での診断をし、患者様に診断結果や治療内容を模型を用いながら説明します。

患者様の同意をもらい、実際に口腔内で咬合診断を行います。

まずは再度マニピュレーションを行い、関節円板を復位させます。

関節円板を復位させたのち、咬合調整を行います。

咬合紙は全顎用のU字型のものを用います。

この咬合紙を用いることで、厚さ0mmで状態での咬合時の印記をすることが可能です。


実際に咬合調整を行なっている箇所や手技を見ることができる、とても貴重なセミナーであることがわかると思います。

これこそLive実習の醍醐味だと思います。

調整後に再度Digmaを用いた顎機能検査を行い、顎運動の確認を行いました。

その結果がこちらです。

ゴシックアーチが左右運動共に綺麗な軌道を描いているのがわかります。

開口量は35mmで、初診時よりも約1cm開くようになりました。

患者様も左右に顎を動かしやすくなり、とても楽になったという感想を頂きました。

最後に岩田先生に本セミナーの総括をして頂き終了となりました。

2日間に渡って開催された顎関節症Live実習ですが、今年も大変内容の濃いセミナーとなりました。

患者様が変われば、実習の内容も変わります。

ですので、初めて参加された先生方はもちろん、毎年参加されている先生方にも多くの発見があり、実りの多いセミナーとなったのではないでしょうか。

私も毎年参加していますが、多くの学びがあり、とても貴重な時間を過ごすことができました。

IPSG包括医療研究会では、これからも『咬合』を軸とした、「顎関節」「テレスコープ義歯」「総義歯」「筋機能療法」のセミナーを随時開催していきます。

より良い治療を行うために、皆様と知識や技術を共有し、共に学び続けていきたいと考えておりますので、セミナーのご参加お待ちしております。

最後までご愛読ありがとうございました。
稲葉歯科医院 歯科医師 林聡一

受講された先生方のご感想
▼実際に患者さんの変化を目の前で見ることができ、理解がしやすかったです。
印象のとり方から説明していただけ安心感がありました。
稲葉先生をはじめ、講師の先生方のお人柄が素敵で楽しい2日間でした。有難うございました。

▼今回の講習会も⼤変勉強になりました。また来年も機会がゆるせば受講したいと思います。

▼本セミナーを再受講させていただき、大変勉強になり、複数回学ぶことでより理解を深めることができ、感謝しております。
有難うございました。

▼関節円板の転位の診断には今ではMRIが欠かせなくなってきていますが、岩田先生の分析の正確さには驚きました。
また講義も上手でわかりやすいと思いました。
教授の神業のようなマニュプレーション、咬合調整により関節が可動するようになり、感動しました。ジョイントエフュージョン、円板転位など疼痛の原因がわかるようになり、顎関節症の理解がより深まりました。
有難うございます。

▼レアケースの顎関節症のケースでしたが、良い勉強をさせていただきました。ありがとうございます。

▼普段技工の仕事で、まったくといっていいほど知りえない話でとても興味深く勉強させていただきました。有難うございました。

▼約10年間に渡り、ほとんど毎年(昨年はコロナの影響で無理でしたが)参加させて頂いています。
毎年違う患者さんですが、必ず治してしまう稲葉先生はすごすぎます。
今回のケースは少し稀なケースでとても新鮮でした。
毎回思いますが、稲葉先生に出会えてとても幸せであり、稲葉先生の下で勉強できることを誇りに思います。

▼前回のセミナーと今回で顎関節症について知識が深りました。
明日からの臨床でフェイスボー、咬合診断を取り入れていきたいと思います。有難うございました。

▼マニュプレーションであそこまで開くようになったのには驚きました。
本日の患者さんの予後、経過を教えていただければと思います。
自分の患者さんでも実践できればと思います。

▼実際に顎関節症の患者様の開口量が増え、側方運動が可能になる場合見せて頂き、とても充実した実習でした。
2日間の講義でまた色々サポート頂き、有難うございました。

▼大学では顎関節症は分類を習うくらいで具体的な治し方はよくわからなかったので、実際の患者様に対して臨床的にどう治すかを見ながら受けられてわかりやすかったです。

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