Seminar report

’14 7/19,20,21(土,日,月祝)『総義歯ライブ実習コース』開催されました【2日目】

’14 7/19,20,21(土,日,月祝)『総義歯ライブ実習コース』開催されました【2日目】

『総義歯ライブ実習コース』2日目はいよいよ『上下顎同時印象』です!

2日目は、9時からの開催となりましたが、はやくから先生方にお集りいただき、テキストをご覧になったり、稲葉先生に質問されたり、熱心さが伝わってきました。

前日に準備しておいた、上下顎同時印象用のトレーを試適。
最初にゴシックアーチの描記を行いました。

総義歯ライブ実習

■ゴシックアーチ

稲葉式は、歯列上の3点法にて描記を行います。
セントラルクラッチの場合、描記芯と描記盤が口腔内中央に位置するため、舌を後退させなければゴシックアーチを描記することが出来ず、自ずと下顎後退位にて、描記されます。

舌後退位により、最大2mm程度下顎位は後退すると言われています。
シュライヒ先生はゴシックアーチのアペックス上ではなく、描記された前方運動上のアペックスから2mm前方に中心位を定めていました。

舌後退位も必ずしもまっすぐ後方に下がっているわけではなく、右より左よりなどに下げる人もいます。それにより、左右どちらかに偏移した偏心位になる可能性がとても大きいです。

稲葉先生が歯列上でゴシックアーチを描くのは、アペックスを舌に阻害されることなく、再現することが可能です。

総義歯ライブ実習

すべてチェック後、いよいよ『上下顎同時印象』です!

印象材の量がポイントだと説明があり、出来る限り患者様が苦しくないように、10分の間冷静に鼻で息をしていただけるように、経験上のポイントをいくつかご説明させていただきました。

総義歯ライブ実習

私もそうですが、焦ってしまうと、印象材を多くつぎ込んでしまったり、どちらからトレーを印象したら良いのか、そして大事な嚥下をさせてしまうのを忘れてしまうことがあります。

印象材を注ぎ込んだ後、患者様の喉を触る事を忘れないでください。
ポイントです。
嚥下をしていただくことで、中心位の印象を採る事ができます。

上下同時印象は、噛めるところ、即ち中心位での印象が採れる唯一の方法です。

総義歯ライブ実習

咬合採得、中心位記録、フェイスボートランスファー、ゴシックアーチを1度で行う事により、 一連の作業を簡易化することができると同時に、患者様の情報を、咬合器に確実にトランスファーすることが可能になります。

フェイスボートランスファーを使用することで、矢状正中とカンペル平面を読み取ることができます。

総義歯ライブ実習

このように、一塊ですべての情報をコピーすることができます。

総義歯ライブ実習

印象材の量も適切です。

総義歯ライブ実習

今回、技工を担当してくださったのは、小平デンタルラボの小平雅彦先生です。
小平先生は、故岡部宏昭先生の弟子でもあり、IPSGのVIP会員でもあります。

岡部先生亡き後、シュトラックデンチャーを継承してくれる技工士として、期待が高まります。

総義歯ライブ実習

これで、患者様の口の中の状態をすべてトランスファーできました。
石膏コアを製作後、いよいよ排列です。

総義歯ライブ実習

稲葉先生自身がすべて排列をし、先生方にご覧頂きました。

人工歯はシュトラックがデザインした、オルソシットを使用します。
この人工歯は25度の角度が与えてあります。

咬合様式は、フルバランスドオクルージョンです♪

総義歯ライブ実習

実は排列から、患者様の試適まで、1時間半。
時間がないところで、稲葉先生、排列をさせていただきました。

実際に患者様に試適させていただいたところ、咬合高径がなぜか上がってしまったり、歯肉形成がうまくいかなかったりとエラーが発生。

夜の8時迄、稲葉先生、あきらめずに再排列。
先生方にも患者様にもずっとお付き合いいただきました。

試適、そして重合まで2日目で終わらせる必要があります。
だいたいのところまで、決めて、あとは技工士の小平先生に託しました。

総義歯ライブ実習

シュトラックデンチャーの歯肉形成、よくご覧頂きたいと思います。
バッカルシェルフの厚み、そしてサブリンガルルームの大きさが特徴です。
現在のBPSの外形に比べて、大きく違う点だと思います。

2日目修了。
明日はいよいよセットです!

⇒3日目のレポートはこちら

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IPSGでは、ご都合が合わずセミナーにご参加頂けない先生方に向けて、DVDの販売をしております。また、繰り返し見られるのでセミナーの復習用としてもたいへんご好評いただいております。

今回の『総義歯ライブ実習コース』のほかにもいくつかライブ実習のDVDがございます。
次の受講チャンスは来年、となってしまうセミナーも多いですので、ご活用頂ければと思います。

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