Seminar report

’25 5/11(日)『咬合治療のセミナー参加レポート』

’25 5/11(日)『咬合治療のセミナー参加レポート』

〜「咬合治療の臨床」に参加させていただきました〜

参加者は、ベテランの歯科医師の方から学生まで年齢層は幅広く、私は最年少という立場で緊張しつつも貴重な学びを得ることができました。セミナーでは4人の講師の先生方から、それぞれの異なる視点で咬合についての講演がありました。

はじめに佐藤先生からは『咬合の基本や学ぶヒント』について。

初心者でもわかりやすく基本から解説していただきました。

これからこのセミナーコースを受講していくにあたって、” ただ勉強しにくる” のではなく” どう学ぶか、また学んだことを今後行動に起こせるか”というお話がとても印象に残っていて、これから学んでいく立場の私にとってとても励みになりました。

続いて、稲葉繁先生から『生涯維持のための咬合』についてのお話がありました。


咬合の歴史から、患者さんにとって最善の治療をたとえ話をしながらわかりやすく解説していき、これまでずっと勉強し続けて来たからこその知恵がたくさん詰まっていて聞いていて楽しかったです。

ところどころ話の中でさりげなくはいってくるギャグは、難しい内容なはずなのに、硬く苦しくならず集中して聴き続けられるのも先生の話し方の魅力だなと思いました。

そんな先生の話の中で心に残ったのは、”治療を行う上で、抜髄はできるだけしない、患者さんが本来持っている生活歯で治療をする”という言葉です。

ある患者さんの症例の話がありました。これまでに多くの歯科医院で必要以上に歯を削られ、抜髄され長い期間をかけたにも関わらず改善せず、最終的に稲葉先生に出会い治療が成功したというものです。

目の前の症状や歯だけを見るのではなく、そうなってしまった原因を顎、体全体を含めて診察しなくてはならないということを強調されていました。

患者さんの”歯を見て口を見て全身を見る”このように人全体を見ることの重要性を学び今後学んでいく上で意識していきたいと思いました。

次に、技工士である高瀬先生からはデジタルデンチャーに触れた未来的な話でした。


今歯科技工の世界でもデジタル化が進んでおり、これから治療に仕方も変わってくるかもしれないなか、一方で実際の性能はどうか、患者さんの口の中に入れたときの適応についてまだ議論もあるとのことでした。

印象に残ったのは、デジタルかアナログかをどちらかに絞って考えるのではなくどちらも手法の一つなのだから、その時の患者さんのケースに一番あった手法を選ぶべきということです。
これから技術が進化していくにつれて、デジタルも使い分け、柔軟性のある考え方は大切だと思いました。

最後にお話ししてくれた岩田先生からは患者さんの症例をもとに治療の話などがありました。

最初に顎の動きや構造について自分たちの体を実際に動かしてみる時間があり、とても印象に残りました。

座っているだけでなく、ストレッチを取り入れながら顎の可動域を再現して、ただ聞くよりずっとリアルに感じられました。
また、口を大きく開くことが出来ない患者さんの話では、実際にビデオの中で岩田先生が患者さんの顎を少しずつ整えていくのをみてとても興味深かったです。しかも、手際よくほんの数分で治ってしまって何かの魔法かと思いました。

今回このセミナーに集まった受講者は年齢層がとても広く、多くの方々が真剣に咬合を学んでいました。
それをみて、大学を卒業してからも、ベテランになってからも咬合を学ぶこと、体の構造から考えることはずっと学び続ける価値があるのだなと感じました。

稲葉先生が、歯科医師は生涯勉強と以前おっしゃっていたように、学びには終わりがないと改めて実感しました。これから1年間のコースが楽しみです。

庄嶋 絵里衣

開催予定のセミナー

開催日 セミナー名 講師(予定)
2025.8.2.SAT〜2025.8.3.SUN ’25 8/2〜 8/3(土・日)顎関節症ライブ実習コース 稲葉繁先生
岩田光司先生
2025.11.16.SUN ’25 11/16(日)筋機能療法・エントレ 稲葉繁先生
飯塚能成先生
2025.12.14.SUN ’25 12/14(日)IPSG Scientific Meeting 2025 ~ 学術大会 〜 現在未定

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