Seminar report

’17 10/28,29(土,日)基礎から学ぶ咬合・パーシャルデンチャー(2日間)開催されました

’17 10/28,29(土,日)基礎から学ぶ咬合・パーシャルデンチャー(2日間)開催されました

2017年10月28.29日の2日間に渡って行われましたセミナー、「基礎から学ぶ咬合 パーシャルデンチャー 2days」の28日の模様をレポートさせていただきます。

今回も、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から多数の先生方にご参加いただきました。
心より御礼申し上げます。

本セミナーは、稲葉歯科医院の佐藤孝仁先生、小西浩介先生と、歯科技工士の中沢勇太先生によって行われました。
主にテレスコープデンチャーに関する基本的な概念の説明や、咬合器のハンドリング、設計等を、臨床症例を交えながら解説していただきました。

この3名の若い講師の先生方の勢いそのままに、大変内容の濃い、しかも非常に簡潔で分かりやすい、熱い講義であったと思います。
 
まず初めに、佐藤孝仁先生より、歯科診療に際して、考える種としての基礎、基本の大切さや、IPSGの基本理念としてある「Das Beste order Nichets 最善か無か」という言葉を紹介していただきました。

その後、臨床症例を見ながら、咬合診断の基本的な流れを解説していただきました。

次に小西浩介先生より、なぜIPSGではKaVoの咬合器を使うのか、という問いに対して、解剖学的位置関係が再現されていて、フェイスボウが簡便であり、顎関節に近似した構造を持ち、アルコン型ボックス型であるからとの見解を示されました。

また、KaVo咬合器の構造性、互換性、再現性についての説明がありました。

単なる構造的な話だけにとどまらず、その歴史や開発者の人物像などを織り交ぜながら、非常にわかりやすく解説していただきました。

次に、佐藤孝仁先生より、KaVoプロター咬合器のハンドリング実習が行われました。
基本的な機能や操作方法を中心に、エラーを起こしがちな場面などを細かく指摘されました。

又、フェイスボウトランスファーの取り扱いについても触れられました。

MDLキャステティックアーツ代表の歯科技工士、中沢勇太先生からは、パーシャルデンチャーの設計について講義していただきました。

クラスプ義歯を視野に入れた設計の要点として、まずはレスト、ガイドプレーンの設計を最初に行い、正中線を描き、左右対称を意識しながら、床上下縁を描記します。

フィニッシュラインを決めた後、サベイングし、ワックスアップ、鋳造、研磨へと進みます。

歯科技工士が考える設計の理論は、その義歯が構造的に正しく機能するかどうかに重点が置かれ、特に強度の面においては、詳細なデータに照らし合わせながらの製作となることが、よく理解できました。

その他にもシュパルテフレームの製作法についても詳しく講義していただきました。

次に佐藤孝仁先生より、咬合、顎関節部の診査診断として、模型を咬合器に付着してからの、咬合診断の具体的な方法や考え方を解説していただきました。

又、3種類の梃子作用についての解釈や、MRI検査から判断できる顎関節の炎症反応の診断、顎機能検査についても説明されました。

それに続くトリートメントプランでは、顎関節部コンプレッションへの対応として、KaVoプロター咬合器のPDRインサートを応用した、プロビジョナルレストレーションの製作方法が示されました。

それにより、下顎頭を下げ、顎関節部のコンプレッションが解消されているかの確認として、KaVo ARKUS DIGMAⅡのEPAテストを用いました。

以上のように、本当に基礎的な所から、かなりアドバンスな部分まで幅広い講義となりました。

最後に、本日も一番後方の席から、厳しくも優しい目で見てくださっていた、IPSG代表稲葉繁先生より、IPSGが大切にしている、顎関節を含めたオクルージョンの重要性について総括していただきました。

セミナー終了後は、稲葉繁先生を交えて、明るく楽しい懇親会が催されました。
参加された皆さんが、より親交を深められたかと思います。

(レポート/Weber Dental Labor 石川 太一)

受講された先生方のご感想

▼今まで行っていた診療に対しての疑問が多少は解消されたかなと思いました。
ただまだまだ臨床に生かしていっていないので、これからまた疑問に思うことが出てくるのでまた勉強に来たいと思います。
2日間有難うございました。

▼学生の自分にもわかりやすく説明して頂き、ありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。
国家試験がんばります。

▼普段あまり聞けない話が聞けて勉強になりました。
自分の症例発表におきかえたらどうだろうかと思い返すことができました。
過去の症例のスライド、症例の発表をもう一度検討し、反省点を洗い出したいと思いました。
そして次の症例に生かしていきたいと思います。

▼歯科医師と技工士の本当の意味でのチームワークを考えさせられました。
より勉強し、よりラボと共有し学び合う場を作りたいと思いました。
テレスコープは私もコーヌスかと思っていましたが、すごいです。
3歯以下はレジリエンツ、片側遊離端はリーゲル、今後トライしていきたいです。

▼何回聞いても勉強になります。
さらに臨床に実践していきたいと思いました。
様々な設計をいろいろ考えていましたが、根本的な土台の部分は一つだと思いました。
この教えを改めて主軸として今後の臨床に活かしたいと思いました。

▼顎関節と咬合の関係と咬合平面の正常化の大切さを学びました。

▼考える力というのが大切だなと思いました。
なんとか明日から小さな症例でいいので今日の経験をいかしていきたいです。

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