Seminar report

’13 9/8 『咬合治療の臨床』セミナー開催されました【前半】

’13 9/8 『咬合治療の臨床』セミナー開催されました【前半】

IPSG事務局、稲葉由里子です。
2013年9月8日、エクセレントデンティストコース 第1回 『咬合治療の臨床』が開催されたので、ご報告させていただきます!
全国から沢山の先生にご参加いただきました!
今回は技工士の先生方にも多数ご参加いただき、一緒に楽しく学ぶことができ、大変充実したセミナーでした。
内容も盛りだくさんだったため、【前半】 【後半】に分けてお伝えしたいと思います。



最初に、これからどのような医療を私たちは目指したら良いのか・・・ということをお話させていただきました。
歯科医療は咬合が基本であり、長持ちのする良質な医療を行わないといけません。残念ながら保険治療では良質な医療は行えないのはご存知の通りです。
私たちは金属屋ではありません。
自分の理想を追い続ける医療、自分の医療制度を作り出しましょう。
金銀パラジウム合金は代用合金、代用合金があるということは、本物があるということです。
自分の歯科医院には貴金属、GOLDしかない。クラスプはない。
と決めるぐらいの気持ちで本物志向で医療を行ってほしいです。
と話がありました。
さて、 「中沢君、上顎6番と咬合面を構成する要素を書いてみて」 と、稲葉先生
「え?」
突然びっくりした技工士の中沢君。
彼は先日(株)モリタ歯科技工フォーラム2013の中で、国内外で活躍できるような才能をもつ歯科技工士 ということで優秀賞を受賞した、若手のホープで、IPSGでお手伝いをしてくださっています。
稲葉先生は彼をとてもかわいがっています
「え〜と、作る事はできるのだけど、書けと言われても・・・」

「こんな感じでしょうか・・・」

「う〜ん。もう少し、意識して咬合面を作った方がいいね〜」
と稲葉先生。
咬合面ができる、発生順に覚えましょう。
まずは、4つの咬頭頂です。
そして、それを結ぶのが辺縁隆線。
中央隆線は咬頭頂を越えて伸びる隆線のことです。
上顎ではCコンタクト、下顎ではAコンタクトを作ります。


三角隆線とは、咬頭頂から三角に伸びる隆線。
三角隆線ができたことに伴い、発育溝が形成されます。
三角隆線と発育溝の間はV字状の溝です。
ちなみに、副隆線と、副溝の間はU字状の溝なんですよ。
そして、発育溝が複数でぶつかるところが窩ですね。

発生順に覚えるとわかりやすいです〜♪
エベリット・V・ペインのワックスアデットテクニックは歯が出来て来る順序にしたがって咬合面に形成する方法です。
・即ち
・咬頭頂
・辺縁隆線
・中央隆線
・三角隆線
・発育溝
・副溝
・副隆線
・窩
の8要素を発育順序に従ってワックスアップして行く方法です。
これをカリフォルニアのハリウッドで開業していたピーター・K・トーマスが世界に広めたテクニックです。
稲葉先生も2度ほど、ピーター・K・トーマスから実習を受けました。

そして、クロージャーストッパー、そしてイコライザーについても、中沢君に質問。
う〜ん。
なかなか答えるのは難しいですね。
▼クロジャーストッパー
上下の歯を接触させると辺縁同士の接触に2箇所の接触が出来ます。
たとえば2つの輪ゴムを少しずらして重ねると、2箇所の交点が生まれます。
これと同じことが上下の歯の辺縁隆盛同士に生まれます。
これは中心咬合位を作る接触であり、下顎が頭蓋に最も近づいて、咬頭と窩、隆線と溝が最大面積で接触する位置を取ります。
そのような意味を持つのがクロジャーストッパーという事になります。
咬合面は一つ一つに大切な意味を持っているのです。
そして、
▼イコライザー
臼歯の接触状態を前頭断で見ると、いわゆるABCコンタクトが有ります。
ABCコンタクトは歯を安定させる為に必要な接触状態を作ります。
この時Bコンタクトが最も大切な接触です。
もしBコンタクトが無ければ歯は頬舌側方向に移動してしまいます。
Bコンタクトをイコライザーと呼び歯の移動を防止する接触を作ります。
上顎の舌側内斜面と下顎の頬側内斜面の接触は無くてはならない接触ですね。
Bコンタクトをつけることで、歯軸に力を入れることができます。
これは、とても大切なことです。
同様に近遠心方向からみた時にも安定をしなければなりません。同じ方向の斜面同士の接触では歯は移動してしまいますので、逆の方向の斜面の接触を作ります。
即ち移動する力を打ち消すコンタクトをイコライザーと呼びます。
なるほど・・・
今回、技工士の中沢君のおかげで、沢山勉強することができました。
ありがとうございました!
前半だけで、盛りだくさんな内容でしたね!
続きは後半でお伝えいたします!
⇒セミナーレポート後半はこちら

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IPSGでは、歯の治療だけに注目せず、歯科医師が担っている「恒常性の維持」の1つである食物摂取系を支える歯科医療を目指しています。
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